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アニサキスによる食中毒の症状と対策~生の魚介類にはご用心!

 


刺身や寿司などの生の魚介類を食べることにより、アニサキスと呼ばれる線虫の一種が人の胃や腸に寄生して感染し、アニサキス症と呼ばれる食中毒が増えてきています。

報道記事では、2007年には6件しか報告がなかったのですが、2016年には約20倍の124件と被害が急増していて、原因別での食中毒の件数では、ノロウイルス、カンピロバクターに次いで、アニサキスが3番目に多くなっています。

この報道記事の数字は氷山の一角のようで、国立感染症研究所によるレセプトデータを用いた推計によると、2005年から2011年のアニサキスによる食中毒は年平均で約7000件も発生しているそうです。

ここでは、このアニサキスによる食中毒の症状と予防の対策についてご紹介します。

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アニサキスとは?

アニサキスは線虫の一種で、成虫はクジラ、イルカなどの海生哺乳類の消化管にいる寄生虫です。クジラ、イルカなどの体内で卵を産み、フンにより卵が海中に排出されます。

卵はオキアミというプランクトンが食べ、体内で卵がふ化し、幼虫になります。

アニサキスの幼虫が寄生したオキアミをサバ、イワシ、イカなどが食べます。それをクジラやイルカが食べて、体内で成虫になるという、食物連鎖ができています。

サバ、イワシ、イカなどにいるアニサキスは幼虫です。
アニサキスの幼虫は、幅0.5~1mm、長さ2~3cmの大きさで、白色の少し太い糸のように見え、肉眼でも確認することができます。

アニサキスの幼虫 出典:http://www.city.shimonoseki.lg.jp

アニサキスによる食中毒の感染経路

人が刺身、寿司などで生の魚介類を食べると、アニサキスが人間の胃や腸に侵入して、感染し、食中毒を発症します。アニサキスによる食中毒をアニサキス症と呼びます。

通常1匹でも発症します。季節的には12月~3月の寒い時期に多くなります。

アニサキスが寄生している魚介類はサバ、イワシ、アジ、サンマ、カツオ、サケ、イカなどで、このうち最も多いのがサバです。

アニサキス症の症状

アニサキスの幼虫が人間の胃や腸の中に入ると、粘膜に炎症を起こし、強い痛み、吐き気を催します。

アニサキスが寄生する部位により、胃アニサキス症、腸アニサキス症などがあり、このうちの大部分は胃アニサキス症です。

胃アニサキス症

生の魚介類を食べた後、数時間から十数時間経過して、みぞおちの激しい痛み、胸のむかつき、嘔吐などの症状が出ます。

腸アニサキス症

生の魚介類を食べた後、十数時間後から数日後に、激しい下腹部の痛み、腹膜炎などの症状を生じます。時には腸閉塞や腸穿孔を併発することもあります。

アレルギー症状、アナフィラキシー症状

アニサキス症には、胃痛、腹痛などの症状の他に、ジンマシンなどのアレルギー症状や血圧降下、呼吸不全,意識消失などのアナフィラキシー症状があらわれることもあるようです。

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アニサキス症予防の対策

魚介類を生で食べる場合は十分な注意が必要です。

新鮮な魚類の場合、アニサキスの幼虫は魚の内臓表面に寄生し、筋肉内に寄生している場合は少ないですが、魚が死んで鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動することが知られています。

このため、新鮮なうちに内臓を除去し、十分に洗浄することで感染の確率を下げることができます。

また、調理の時は、目視でアニサキスの有無を確認することも有効です。

-20℃以下、24時間以上の冷凍や60℃で1分以上、70℃以上では瞬時の加熱処理により、アニサキスの幼虫は死滅します。

噛むことにより、アニサキスの感染力が弱まることが分かっており、刺身などを食べる時はよく噛んで食べるようにしましょう。但し、これで100%大丈夫とは言い切れません。

酢漬け、塩漬け、わさびではアニサキスの幼虫は死滅しません。

治療方法

アニサキスの研究はまだ進んでいないようで、アニサキス症の効果的な治療薬はまだ開発されていません。

胃アニサキス症

アニサキスが胃にいる場合には、内視鏡により鉗子(かんし)というハサミのような形をした器具を使って、アニサキスを摘出する方法が採られています。

アニサキスの幼虫を摘出することができれば、多くの場合は痛みが速やかになくなります。

大幸薬品が下痢止め薬として販売している正露丸に含まれる木クレオソートが胃アニサキス症の予防、症状改善のために有効だとされていて、メーカーからその活用法について、特許出願がされているようです。

腸アニサキス症

アニサキスが腸にいる場合には、虫を見つけるのは困難なため、X線や超音波検査で小腸を調べます。

治療は、対症療法が試みられていて、場合により外科的処置が施されています。

アニサキスにとって、人の体内は快適な場所ではないようで、そのまま成虫になることはなく、3週間ほどで死んでしまうので、自然に死滅するのを待ちます。

しかし、腸閉塞、腸穿孔のような重大な病気を引き起こすことがあり、その場合には外科的手術をすることがあります。

 

以上のようにアニサキスによる食中毒は、まだよく分かっていないことが多く、効果的な治療法が確立していません。

アナフィラキシー症状があらわれる場合もあり、生の魚介類を食べた後、アニサキス症のような症状が出た場合には、医療機関の受診をおすすめします。

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