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ウナギが絶滅危惧種に指定された原因は日本人のウナギの食べ過ぎ?

ウナギ日本人は土用の丑の日にはウナギを食べる習慣があります。

世界にはウナギは19種類いますが、日本人が食べるウナギは大部分がニホンウナギで、これは絶滅危惧種に指定されています。

絶滅危惧種に指定されたからといって、直ちに捕獲や販売が禁止されることはなく、現在でもスーパーなどではウナギのかば焼きが販売されています。

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しかし、ニホンウナギの生息数が減少してきていることに変わりはありません。

ニホンウナギが絶滅危惧種に指定

ニホンウナギはこの30年間で生息数が少なくとも50%以上減ったということで、2014年6月に国際自然保護連合(IUCN)は絶滅の恐れがある野生生物を指定するレッドリストにニホンウナギを加え、絶滅危惧種に指定されました。

レッドリストは絶滅の恐れ、絶滅してしまった野生生物が記載されているリストのことで、国際機関のほかに日本の環境省や都道府県などでも作成されています。

絶滅危惧種には絶滅危惧1A、絶滅危惧1B、絶滅危惧2の3段階のランクがあり、絶滅危惧2が最も絶滅の深刻度が高いランクです。

ニホンウナギはこのうち中程度の絶滅危惧1Bに指定されています。

現在は捕獲や販売が禁止されることはありませんが、2016年9月に野生生物を保護するための国際的な取引ルールを定めたワシントン条約会議で、ニホンウナギが議題に上り、輸入禁止や規制の対象になる可能性がありましたが、5月に公表された議題にはニホンウナギが入っていなかったため、輸入などの取引規制の可能性は当面の間なくなりました。

二ホンウナギが少なくなった理由

乱獲

二ホンウナギは乱獲され、生息数が減り続けています。
ウナギの稚魚であるシラスウナギの漁獲量は1970年には国内で134トンでしたが、2013年には5.2トンまで落ち込んでいます。

世界のウナギの漁獲量の7~8割は日本人が消費しているといわれているようですが、FAO(国際連合食糧農業機関)のデータによると、2000年頃までは確かに大部分は日本人により消費されていましたが、その後日本人による消費は約5分の1に減少し、2013年には世界の消費の十数%まで減少しています。

2004年頃から消費が急激に伸びているのが中国です。2013年時点では世界消費の6~7割を中国が占めています。

うなぎ消費量20160725

出典:TRAFFIC REPORT

生息場所の減少

ウナギは河川、湖沼、海を行き来する魚で、川や用水路の石や岩の隙間に生息しています。

河川は洪水などの災害を防止するために、降った雨水が速やかに海に流れるように、より直線的な川へと改修が進められてきて川の流れが速くなってきています。
ウナギは遊泳能力が低いので、河川の改修により川の流れが速くなり、生息することが難しくなったことも、ウナギが減少してきた一因と考えられています。

海流変化

ニホンウナギは太平洋のマリアナ諸島付近の海で生まれて、海流に乗って日本、中国などにたどり着き、河川や湖で成長すると、また産卵のために南の海に戻っていきます。

エルニーニョやラニーニャ現象により、海流の流れが変わり、ウナギの稚魚であるシラスウナギが日本にたどり着けず途中で死んでしまうケースが増えています。

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ニホンウナギの生息数を増やす取り組み

漁獲量を減らす

ウナギを消費する国は日本、中国、台湾、韓国です。
2014年9月に日本、中国、台湾、韓国の間で稚魚(シラスウナギ)の養殖量を2014年比で2割減らすことに合意しました。

2015年からは、うなぎ養殖業を農林水産大臣の許可制とし、また、養殖業者毎にシラスウナギの池入れ数量の上限を定めました。

ウナギの生態の研究

ウナギは馴染みの深い魚ですが、その生態はほとんど知られていませんでした。
2009年に東京大学大気海洋研究所によって初めてその産卵場所が太平洋のマリアナ諸島付近であることが解明されました。

生まれた子どもは成長しながら海流に乗って北上し、日本の沿岸や河口に到達し、成長期を川や池で過ごして成魚になります。その後産卵のために再び海へ戻ってマリアナ諸島付近へ回遊し、一生を終えるとされています。

完全養殖

私たちが食べているウナギは養殖うなぎが多いのですが、これはうなぎの稚魚であるシラスウナギを川から獲ってきて、大きくさせているのです。この養殖ウナギも、元は天然のものなのです。

ウナギを絶滅させないためには、完全養殖する必要があります。

完全養殖というのは、シラスウナギを成長させて親にして卵を生ませ、その卵をふ化させて、親になるまで育て、さらにその卵からシラスウナギを育てるという一連のサイクルを養殖で実現したものです。

2010年に水産総合研究センターが世界で初めてうなぎの完全養殖に成功しました。しかし、採算ベースにのせるには課題が多く、時間がかかるようです。

ウナギは、卵→幼体(レプトケファルス)→シラスウナギ→ウナギと成長していきます。

ウナギがふ化した後、シラスウナギになるまでの幼体(レプトケファルス)が何を食べるのかよく分かっていません。この餌の開発が求められています。

ウナギは人工の水槽で育てるとほとんどが雄になってしまいます。このため遺伝子レベルでウナギ自身のホルモンを合成して、卵や精子を安定して得る技術の開発が進められています。

また、幼体がシラスウナギにまで育つ確立は約5%で、大量のシラスウナギを育てるには、多くの水槽が必要となるので、この確率を高める技術が必要です。

2020年の量産化を目指して取り組んでいますが、ハードルは高いようです。
このため、2015年から出回り始めている近畿大学のウナギ味のナマズに期待がかかっています。

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