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サイエンス

カブトエビが田んぼにいると雑草が生えないの?

カブトエビ

出典:Wikipedia

カブトエビは約2億年前からほとんど姿を変えずに生き続けているため、生きた化石といわれています。大きさは2~3cmほどで、頭部に甲羅、後ろに2本のしっぽがあり、体色は茶褐色から緑がった茶色で、甲殻類の中では最も古い形態を保っています。

現在ではカブトエビの飼育セットが販売されていて、小中学生が自由研究の課題にすることも多く、身近な存在です。

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日本に生息しているカブトエビ

現在、日本にはアメリカカブトエビ、アジアカブトエビ、ヨーロッパカブトエビの3種類が生息しています。

アメリカカブトエビは北海道、沖縄を除いた本州全域に、アジアカブトエビは沖縄を除いた関東より南の全域に、ヨーロッパカブトエビは山形、宮城、栃木の各県で確認されています。

このうちアジアカブトエビが日本の在来種と考えられていて、他の種類はいずれも海外からの移入種です。

カブトエビの生態

カブトエビがふ化するのに適した温度は、12℃~25℃です。

田んぼに水を張って2~3日経過するとふ化します。

ふ化した幼生の大きさは約1mmです。

ふ化すると約10日間で急速に成長します。

体は成長とともに大きくなりますが、その間ほかの節足動物と同じように脱皮して成長します。

カブトエビの脱皮は、甲殻の周縁部が割れて、その隙間から新しい皮になった体が出てきます。脱皮ごとに 約1.2倍大きく成長します。

カブトエビはふ化して約1ヶ月後に産卵します。

カブトエビの活動期間は約1ヶ月で、残りの11ヶ月は卵の状態で過ごします。

カブトエビは田んぼの泥に長期間の乾燥に耐える卵を大量に産むので、一度田んぼに居つくと、卵が残っている限り、毎年田植えの後、1~2ヶ月間は大量にカブトエビが発生します。

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カブトエビの除草効果

カブトエビは田んぼの中で水中の泥をかき分けて餌を獲ったり、産卵のために、絶えず脚を動かして土を掘り起こしているため、田んぼの雑草の種や芽が土から浮かび上がったり、舞い上がった土により水が濁って、雑草の光合成が阻害されるので、雑草の生育が妨げられます。また、カブトエビは餌として雑草をよく食べます。

このようにカブトエビの生息する田んぼでは、カブトエビが雑草の除草をするので、「田んぼの草取り虫」と呼ばれ、除草剤などの農薬は必要ありません。

カブトエビは農薬に対する感受性が非常に高いため、農薬がまかれているような環境では生息することはできません。

カブトエビが生息しているということは、それだけで無農薬栽培をしている証拠となるのです。

カブトエビは過酷な環境でも生きている

カブトエビはクリプトビオシスというすばらしい性質を持っています。

クリプトビオシスというのは、低温、高温、乾燥、真空などの厳しい環境になると生物が休眠状態になり、生命活動を維持することができる仕組みのことです。

カブトエビの場合は80℃の高温では数日、-20℃の低温では半年、-197℃の超低温でも約1ヶ月間は生きていられます。カラカラになった乾燥状態でも何十年でも平気で生き続けます。

そして、通常の環境状態になると休眠状態から復活して活動を開始します。

カブトエビ以外ではクマムシもクリプトビオシスの状態になります。

カブトエビとカブトガニの違い

カブトエビとともに生きた化石とよばれているものにカブトガニがいます。

カブトエビとカブトガニでは大きさは違いますが、一見するとよく似ていますが、全く違う生きものです。

カブトガニはエビよりクモに近い関係にありますが、カブトエビは甲殻類であり、クモよりはエビに近いのです。

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