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エネルギー、資源

サトウキビ、トウモロコシで燃料ができる!~バイオエタノール

石油、ガソリンなどの化石燃料の使用が地球温暖化の原因となる二酸化炭素の増加の大きな要因になっています。

本記事では、自動車燃料にサトウキビ、トウモロコシなどを原料として作られるバイオエタノールについて記載しています。

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バイオエタノールとは?

通常、エタノールは石油や天然ガスから化学的に合成させて作られた合成エタノールのことを指します。

これに対して、バイオエタノールは、植物が作りだす糖、デンプン、セルロースなどを原料として製造されたエタノール(エチルアルコール)のことです。

バイオエタノールは燃料として利用されて二酸化炭素となりますが、その二酸化炭素は植物が光合成によって吸収し、取り込まれて次の燃料をつくるのに利用され、大気中の二酸化炭素は実質的に増加しない、というカーボンニュートラルを達成することのできるものとして注目されています。

バイオエタノールの原料

バイオエタノールの原料は、炭水化物を含む作物であれば何でもよく、サトウキビ、トウモロコシの他、ジャガイモ、サツマイモ、麦など様々作物で作ることができます。

世界のバイオエタノールの生産大国は米国とブラジルで、この2国で世界の燃料用エタノールの8割以上のシェアを占めています。

米国ではトウモロコシを、ブラジルではサトウキビを原料にバイオエタノールが生産されています。

なぜトウモロコシやサトウキビが原料によく使われるの?

バイオエタノールを作ることができる作物は数多くありますが、生産効率の面から糖質、デンプン質を多く含む植物で、資源量、栽培適地、エネルギー効率性、生産コストなどの面から、トウモロコシやサトウキビが原料に使用されます。

いろいろな作物の中で、作物の重量当たりのエタノール収量の最も高いのはトウモロコシです。また、面積当たりのエタノール収量が最も高いのはサトウキビとなっています。

世界最大のトウモロコシ生産国である米国では、トウモロコシを原料として、エタノールの生産を行っているのに対して、耕地が膨大でサトウキビを作付けする余地の大きなブラジルでは、サトウキビがエタノール生産の原料となっています。

バイオエタノールの作り方

バイオエタノールはエタノール発酵により、サトウキビやトウモロコシなど、糖分やデンプンを多く含む植物を酵母菌により発酵させて糖を分解して、エタノールと二酸化炭素が生成された後、蒸留、脱水して、濃度99.5%以上の無水エタノールができます。

基本的には焼酎やウイスキーを作るのと同じ原理でバイオエタノールが作られます。

トウモロコシ(デンプン質作物)

「粉砕」→ 「糖化」→「発酵」→「蒸留」→ 「脱水」→「無水エタノール」

トウモロコシは粉砕後、発酵の前にデンプンを酵母が代謝できる糖にする糖化の工程が必要で、これにはアミラーゼが用いられます。

サトウキビ(糖質作物)

「粉砕」→「発酵」→「蒸留」→ 「脱水」→「無水エタノール」

糖化の工程がない以外はトウモロコシの工程と同じです。

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ガソリン車の燃料にバイオエタノールそのまま使うとどうなるの?

ガソリン車に燃料としてバイオエタノールを使用した時の影響は以下の通りです。

・排出ガス中の窒素酸化物(NOx)やアルデヒドの排出量が増加する。

・車の燃料供給系材料の金属が腐食したり、ゴムの膨潤、樹脂が劣化しやすくなる。

・エンジンの冷間時の始動性が悪化したり、加速性やアイドル安定性などの運転性能が悪化する。

自動車燃料としての使い方

上に記したように、ガソリン車の燃料にバイオエタノール単体で使用すると、悪影響が出るため、そのままでは、バイオエタノールをガソリン車には使用できません。

このため、ガソリンにバイオエタノールを一定量混ぜたエタノール混合ガソリンとして使用されています

エタノールの混合比率が3%のガソリンをE3、10%の混合比率のガソリンをE10と呼びます。

エタノール混合ガソリンは様々な国で導入されていて、米国ではE10の混合ガソリンが市販され、ブラジルではE20が義務化されています。

日本では混合比率が3%以下のエタノール混合ガソリンが、ガソリンスタンドで販売されていて、通常のガソリン車でも使用可能です。

混合比率が10%を超えるエタノール混合ガソリンを使用する場合には、混合燃料に対応したフレックス燃料車が必要ですが、日本ではまだ販売されていません。

フレックス燃料車はセンサーで燃料の混合物を検知して、コンピュータで燃料の供給量を調整するので、どのような比率で燃料を混合しても走行が可能な車のことです。

バイオエタノールの問題点

バイオエタノールの主な原料はサトウキビやトウモロコシからつくられたデンプンや糖分ですが、これらは同時に、私たちの食用として、また家畜の飼料として用いられています。

今後もサトウキビやトウモロコシはバイオエタノールの原料として需要増が見込まれていますが、地球上の耕地には限りがあり、人口増による食料の供給が不足し、価格高騰も招く可能性があります。

食用原料を使わないバイオエタノールの研究

現在食用として使わないものをバイオエタノールの原料として利用する研究がすすめられています。

トウモロヨンやサトウキビでも、これまで捨てていたり、燃料として燃やしていた茎の部分(バガス)から、発酵の原料になりうる糖質をつくる研究が行われています。

また、建築廃材から取り出した糖質を原料にバイオエタノールをつくる取組みも始まっています。

まとめ

トウモロヨンやサトウキビを原料とするバイオエタノールは地球温暖化の要因となる大気中の二酸化炭素を実質的に増加させないというカーボンニュートラルを達成することのできるものとして注目されています。

しかし、トウモロヨンやサトウキビなどはバイオエタノールの原料と同時に、食料や家畜の飼料として用いられており、食料や家畜の飼料の不足を招き、物価高騰の原因にもなるため、食用原料を使わないバイオエタノールの生産の試みが行われています。

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