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サンゴは植物?それとも動物?

サンゴといえば沖縄の海に広がる森のようなサンゴ礁を想像する人が多いと思います。
このサンゴは岩に生えた植物のように見えますが、ほんとうに植物なのでしょうか?

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サンゴは植物?それとも動物?

サンゴは海底に根付き、動くことがなく、樹木のように枝分かれしているものもあり、まるで植物のように見えますが、実は、イソギンチャクやクラゲと同じ刺胞動物に分類される動物です。

サンゴには、ポリプ(サンゴ虫)と呼ばれる本体と、石灰質でできた骨格があります。

ポリプは単体で生きることもできますが、ほとんどの場合、石灰質でできた骨格であるサンゴ礁を形成して生きています。

ポリプは基本的には口だけがあいた袋のようなものです。

中央には口があり、食べ物と排泄物が同じ口から出入りする体の構造となっています。

口の周りには6または8の倍数の数の触手が取り囲んでいて、触手の中には、他の動物を捕らえるための毒針が入っています。この触手で動物プランクトンを捕らえ、口から体内に取り込み、消化して栄養を摂ります。

出典:http://www.churaumishinkokai.com

サンゴには2通りの増え方があります。

一つはポリプを分裂させたり、体の周囲に細胞を成長させたりして新しいポリプを作る方法で無性生殖といいます。

もう一つの有性生殖では、ポリプの中の生殖巣で卵と精子が作られ、これらが受精、発生してプラヌラ幼生になり、やがて岩に付着して1個の小さなポリプになります。

サンゴには、サンゴ礁を作る造礁サンゴと、サンゴ礁を作らず、単体で生息する非造礁サンゴに大別されます。ともに刺胞動物ですが、違うグループに属しています。

造礁サンゴは浅い海に棲んで成長が早いのに対して、非造礁サンゴは深い海でゆっくりと成長します。

サンゴ礁のでき方

サンゴ礁はまず、ポリプが海底の岩に付着し、出芽や分裂により数を増やし、ポリプどうしは共肉と呼ばれる組織でつながって、単一の生命体として機能する群体をつくります。

ひとつの群体には数百~数万の個体が集まっています。

さらに、造礁サンゴは石灰質の石の骨格を作ります。生きている群体の下に骨格を作り、成長とともに骨格が大きくなっていきます。

この群体が何十万年という時間をかけて成長し、別の群体とつながって、サンゴ礁となります。
現在地球上に存在するサンゴ礁の中には5千万年前に生まれたものもあります。

サンゴはなぜ褐虫藻と共生するの?

ポリプは褐虫藻と呼ばれる植物プランクトンの一種と共生関係にあります。

サンゴは長期間にわたって単独で生存することは難しく、生存を維持するためには褐虫藻と共生関係を結ぶ必要があります。

褐虫藻はサンゴが必要とする栄養の約90%を供給していて、褐虫藻がいなくなると、ほとんどの場合サンゴは死滅してしまいます。

サンゴが褐虫藻と共生していないのは、幼生期だけです。

サンゴは褐虫藻と接触すると、それらを細胞内に取り込み、そこから生涯を共にします。

最初に接触した際にサンゴの遺伝子に変化が起こります。細胞の状態を変化させながら、共生関係に適応していき、準備が整うと共生関係が始まります。

褐虫藻はサンゴが呼吸して出す二酸化炭素と海の中に届く太陽の光で光合成を行い、サンゴの栄養である有機物を作ります。

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サンゴの白化現象

サンゴ礁の鮮やかな色は、共生している褐虫藻の色によるものです。

水温の変化、水質汚染などのストレスを受けると、サンゴは共生している褐虫藻を追い出してしまいます。

例えば、水温が上昇すると褐虫藻は弱って光合成の力が低下します。これはサンゴにとって有害となるため、サンゴの防衛機構が働いて褐虫藻を体外へ排出すると考えられています。

褐虫藻がいなくなると、サンゴの白い骨格が透けて見え、サンゴ礁は白く見えます。
これがサンゴの白化現象です。

こうした水温上昇などのストレスが緩和されないと、サンゴは褐虫藻から必要な栄養素の供給を受けることができないので、やがて死滅してしまします。

また、白化現象に加えて、オニヒトデによる食害も深刻な問題となっています。

サンゴの役割

サンゴ礁の生息域は全世界の海底の1%程度ですが、全海洋生物の約25%がサンゴ礁に棲息していると考えられています。サンゴ礁が死滅すると海洋生物の生態系に大きな影響を与えます。

サンゴは、動物でありながら植物と同じように二酸化炭素を吸収し、酸素をつくりだす働きをしています。

これはサンゴ自体の働きではなく、ポリプ内に共生する褐虫藻の働きによるものです。

光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素を排出する量は陸上の木を上回ると言われており、地球温暖化の原因となっているといわれる二酸化炭素の削減のために、サンゴ礁は欠かせない存在なのです。

この他に、サンゴには海を浄化する働きや天然の防波堤としての役割、他の生物への影響など、海中だけではなく地球にとって大変大きな役割を果たしています。

まとめ

サンゴは岩などに生えた植物のように見えますが、イソギンチャクやクラゲと同じ刺胞動物で、触手でプランクトンを捕らえて食べます。

サンゴは褐虫藻と共生することにより、動物でありながら、二酸化炭素を吸収して酸素を排出し、地球温暖化防止に大きな役割を果たしています。

近年水温上昇などの異常現象による白化現象やオニヒトデによる被害で死滅するサンゴが多くなり、社会問題化しています。

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