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健康

タバコはPM2.5の最大の発生源~日本の受動喫煙対策は最低レベル

2017/01/27

タバコの煙はPM2.5なの?

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人がタバコを吸うと、そのタバコの煙は周囲に拡散し、近くにいるタバコを吸っていない人もたばこの煙を吸い込むことになります。これを受動喫煙といいます。

PM2.5は、空気中に含まれる直径が2.5μm未満の非常に小さな粒子状物質のことです。
μm(マイクロメートル)は1mの百万の1のことです。

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タバコの煙の粒子の直径は0.18μm程度であり、典型的なPM2.5です。このことは意外と知られていません。

PM2.5の何が問題なの?

空気中に漂う微小粒子の直径が10μm以上の場合、呼吸により体内に入っても、鼻毛で捉えられたり、喉の粘膜に付着したりして途中でブロックされるため、体内の奥深くまで入り込むことはめったにありません。

しかし、PM2.5のような直径が2.5μm以下の微小粒子物質では、途中でブロックされずに気管支や肺の奥深くまで入り込んで、気管支炎や気管支喘息、肺炎など様々な呼吸器系障害を引き起こしたり、血液に取り込まれて循環器系、脳神経系、生殖系器官などに様々な悪影響を与えると考えられています。

一旦、各器官、気管支や血液中に取り込まれると、排出することは非常に困難になります。

米国の疫学調査によれば、PM2.5の濃度が1m3当たり10μg増加すると、肺がんの死亡率は14%、心臓や肺の病気の死亡率は9%、全ての疾患による死亡率は6%上昇すると報告されています。これは屋外での大気汚染のPM2.5によるデータです。

タバコにはタール、ニコチン、一酸化炭素などの有害物質が含まれていて、大気でのPM2.5より影響が大きいと考えられています。

タバコはPM2.5の最大の発生源

日本では環境省が健康を守る上で維持されることが望ましいPM2.5の環境基準として
1年平均値が 15μg/m3 以下であり、かつ、1日平均値が 35μg/m3以下であること」と定めています。
また、健康に影響が出る可能性が高くなると予測される濃度水準として、注意喚起のための指針、1日平均値70μg/m3 が定められています。

日本のさまざまな場所でPM2.5の濃度が日本禁煙学会のホームページで公開されていて、その結果が以下の通りです。

全面禁煙のコーヒー店   8μg/m3
非喫煙家庭      17.8μg/m3
喫煙家庭         46.54μg/m3
自由喫煙のパチンコ店   148μg/m3
不完全分煙禁煙席         336μg/m3
不完全分煙酒屋喫煙席   496μg/m3
自由喫煙居酒屋            568μg/m3
タクシー喫煙一人         1000~μg/m3

非喫煙家庭のPM2.5の測定値は1日平均値の環境基準 35μg/m3を下回っていますが、
喫煙家庭では環境基準をオーバーしています。

ここ数年、冬場になると中国の北京などの大気汚染がひどくなり、このPM2.5が日本へも移動してくると騒がれています。

上に示すように、飲食店などのPM2.5は数百μg/m3の値で、これは中国北京の冬場の大気汚染がひどい時と同レベルで、日本においてはPM2.5の最大の発生源はタバコであることが分かります。

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日本の受動喫煙対策は最低レベル

条約締結国に対し、受動喫煙の防止対策を講じることを求めている、世界保健機関枠組条約に日本は締結していますが、日本の受動喫煙対策は進んでいません。

世界保健機関(WHO)から日本の受動喫煙対策は、最低レベルと判定されています。

そうした中、飲食店、学校、官公庁などを原則禁煙とする受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案が近く国会に提出されます。

この動きの背景には2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が影響しているようです。

2010年からIOC(国際オリンピック委員会)と、WHO(世界保健機関)が共同で、「たばこのない五輪」を推進しています。

2012年のロンドン五輪や2016年のリオデジャネイロ五輪では受動喫煙を防止するために、飲食店や公共施設など屋内は全面禁煙とし、違反者には罰則を科していました。

日本もまた、他の開催国と同じ強力な受動喫煙防止策を講じる必要が出てきているのです。

以上のように、受動喫煙の有害性については以前から指摘されており、飲食店などでの全面禁煙への健康増進法の改正は非喫煙者にとって、この上もない吉報です。

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