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サイエンス

メタンハイドレート~開発のメリット、現状の課題

2016/04/17

メタンハイドレートとは

20150902メタンハイドレート
水分子はある温度、圧力の環境下で、かご状の構造を作ります。

そのかご構造の中にメタン分子が含まれているものをメタンハイドレートと呼びます。
        
        
        

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メタンハイドレートは燃える氷と呼ばれ、低温高圧の環境下で天然ガスの主成分であるメタンと水が結合したシャーベット状の物質で、火を近づけると燃え始めます。
国内の消費量100年分のメタンハイドレートが日本近辺の海底の地層に存在するとされています。

メタンハイドレート取り組みのメリット

長年資源の大部分を輸入に頼ってきた資源小国日本が独自の国産天然ガス資源を獲得することは非常に大きなメリットがありますが、日本がメタンハイドレートを開発することには別のメリットもあります。

日本は資源エネルギーに乏しく、資源外交において持てるカードが少ないため、メタンハイドレートの開発技術そのものを日本の資源外交のカードとすることができます。

日本は米国のメタンハイドレート開発に協力することと引き換えに、安定、安価なシェールガスの供給を要求するという交渉を進めることができます。
また、米国以外のメタンハイドレートを開発しようとする国に対しても同様の交渉が
可能となります。

メタンハイドレート取り組みの歴史

1930年代 シベリアなどの寒冷地においてメタンハイドレートの存在が確認されました。
1980年 南海トラフ周辺でメタンハイドレートが発見されました。
1990年代 主に太平洋側で調査が実施されました。
2000年代 日本海側でも調査が実施されました。
2013年3月 愛知、三重県の沖で世界で初めて海底からメタンガスの採取に成功しました。
2013年4月 安倍政権は2018年度をめどに商業化を目指すとする海洋基本計画を閣議決定し、メタンハイドレートの技術開発を後押しすることになりました。
2014年12月 秋田、山形両県と上越の沖合計3カ所で実施した地質サンプル調査で、海底の地中から次世代資源メタンハイドレートを採取したと発表しました。
また音波探査で埋蔵の可能性がある場所が746箇所見つかり、前年度の調査と合わせて計971カ所となりました。

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実用化へ向けた課題

経済性

海洋のメタンハイドレートには2つのタイプがあります。

1つは砂層型といわれる太平洋側の南海トラフなどに見られる海底から100~400mほどのところに水平に広がって分布するタイプです。このメタンハイドレートは泥や砂に混じった状態で存在していて採取が非常に困難なため、採掘コストが高くなり、実用化は厳しい状況です。

もう一つは表層型といわれ、近年研究が進んでいる日本海側のメタンハイドレートは結晶状で存在しており純度が100%に近く、低コストで採取できるため、実用化できれ液化天然ガスの10分の1程度の価格で販売できるだろうと期待されています。

環境面

メタンハイドレートの主成分であるメタンはCO2の20倍の温室効果があるとされていて、採掘に伴ってメタンガスが回収しきれずに大量に大気中に放出されれば地球温暖化をまねくと問題視されています。

地盤沈下、地震を誘発

メタンハイドレートを採掘することにより、地層が変形して地盤沈下や海底の地すべりが起こったり、最悪の場合は巨大地震を誘発する危険性が指摘されています。

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引用元
メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム メタンハイドレートとは何か?
日本経済新聞 政府、海洋基本計画を閣議決定 警戒・監視体制を強化
NATIONAL GEOGRAPHIC メタンハイドレート海洋産出試験の成功が意味するもの

-サイエンス