トレンドピックアップ

気になる話題、旬の情報をお届けします。

暮らしと生活

中国で冬に深刻になるPM2.5の原因は?日本への影響は? 

2017/01/27

ここ数年、中国では冬場になると深刻な大気汚染が発生し、PM2.5の濃度が上昇しています。それが偏西風に乗って日本上空まで運ばれてきて、日本でのPM2.5の濃度が上がるというようなことが起こっています。

スポンサードリンク

PM2.5とは?

PM2.5のPMはParticulate Matterの頭文字をとった言葉で粒子状物質という意味です。
このうち、直径が2.5マイクロメートル以下のものを、PM2.5と呼んでいます。
マイクロメートルは1mmの1000分の1のことで、髪の毛の太さの1/30程度の大きさです。

PM2.5は粒子の大きさによる分類の仕方で、その成分は単一の成分ではなく、炭素、硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、金属など様々な物質の混合物です。

中国でのPM2.5の原因

中国の大気汚染はここ数年騒がれていますが、2000年代前半にはすでにかなり深刻化していたようです。

中国はエネルギーの大半を石炭に依存していて、世界の石炭消費量の約半分は中国で消費されています。

石炭は石油、天然ガスなどの化石燃料と比較して、燃えると粉塵、硫黄酸化物、窒素酸化物が多く発生し、PM2.5の原因となりやすいのです。

中国で発生するPM2.5などによる大気汚染の主な発生源は工場、発電所、自動車、家庭などです。

工場、火力発電所

工場、火力発電所などではコストの安い低品質の石炭を使用しています。脱硫装置、脱硝装置などの環境設備を設置しているところは少なく、大気汚染物質はそのまま排出され、PM2.5発生の大きな原因となっています。

自動車

中国の2002年の自動車普及台数は約325万台でしたが、2014年には約2500万台と急増しています。

石油会社が利益を上げやすくするために、自動車用ガソリンの品質基準はゆるくなっているため、品質の悪いガソリンを入れた自動車が多く走り、大量の排気ガスが排出され、PM2.5の大きな原因となっています。

家庭用燃料

暖房や煮炊きなどの家庭用の燃料として、品質の悪い石炭から作られた練炭が多く使用されています。

暖房は、地域毎に設置された公共のボイラー室や小型の焼却炉に練炭を入れて燃やし、その熱をパイプを通して各家庭に引き込んで暖を取るようになっています。

硫黄分を多く含んだ練炭を燃焼させることによりPM 2.5などの汚染物質が大気中に大量に排出されます。

中国のPM2.5はなぜ冬場に特にひどくなるの?

冬にPM2.5の濃度が上がる原因は2つあります。

1つ目は、先に記した石炭暖房です。
中国では今でも公共のボイラー室や焼却炉に練炭を入れて燃やし、その熱をパイプを使って各家庭に引き込んでいる家庭が多いのです。

2つ目は冬場の放射冷却による気温の逆転現象です。
通常、地表面から上空に向かって高さが高くなると気温は低下します。
夏の間は地表付近の温度が高くなり、暖まって軽くなった空気は上昇して対流が起こります。この対流により、汚染物質は広範囲に拡散されます。

しかし、寒くなってくると、放射冷却が強い冬の日には、地表付近の冷え込みが著しく、その上にある空気の層よりも地表付近の温度が低くなる気温逆転現象が起こることがあります。

このような状態では、冷たく重い空気は対流することなく、地表付近に停滞します。この状態でPM2.5のような汚染物質が放出されると、拡散されずに地表付近で蓄積されて、大気汚染がひどくなるのです。

スポンサードリンク

中国のPM2.5の日本への影響

中国のPM2.5は偏西風に乗って日本に飛来します。

偏西風は中緯度で常時吹いている西寄りの風ですが、夏は北海道より北の方で吹いているため、PM2.5は日本へはあまり飛んできませんが、冬になると偏西風は日本近辺まで南下してくるので、日本へ多くのPM2.5がもたらされ、九州など西日本を中心にPM2.5の環境基準を超えるようなことが起こっています。

例えば、2013年の1/13、1/21、1/30、1/31、2/1には全国の環境大気測定局の約10~30%の測定局で環境基準値(1日平均値35μg/m3)を超えました。これらは中国大陸からのPM2.5による影響があったものと考えられています。

PM2.5の健康への影響

直径が10μm以上の微粒子は、呼吸するときに鼻毛で捉えられたり、喉の粘膜に付着して気管支や肺の奥まで入り込むことはめったにありません。

しかし、PM2.5のような直径が2.5μm以下の微小粒子物質は途中でブロックされずに、気管支や肺の奥深くまで入り込んで、気管支炎や気管支喘息、肺炎など様々な呼吸器系障害を引き起こします。

また、血液に取り込まれて、狭心症や心筋梗塞のリスクを高めたり、肺がんの原因となるおそれも指摘されています。

環境省が健康維持に望ましいとしているPM2.5の環境基準は1日平均値35μg/m3以下です。これは1日平均で1立方メートルの空気中にPM2.5が何マイクログラムあるかを示す値です。

35μgを超えたら呼吸器系や心臓などに持病がある人、子ども、高齢者の方は体調の注意が必要です。

また、注意を呼び掛ける値として70μg/m3が設定されています。
この値を超えると、健康な人もできるだけ外出は避け、マラソンなど長時間の激しい運動は控えた方がよいとされています。

PM2.5の観測値は、環境省の「そらまめ君」というホームページで確認できます。

まとめ

中国の大気汚染の主な原因は低品質の石炭やガソリンを大量に消費し、環境対策が進んでいないことです。大気汚染対策は中国に任せるしかありません。

私たちにできることは常日頃からPM2.5の濃度をチェックし、濃度が上がっている場合には、適切な対策を立てることです。

スポンサードリンク

関連記事
タバコはPM2.5の最大の発生源~日本の受動喫煙対策は最低レベル

-暮らしと生活