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日本での昆虫食の歴史~昔日本は昆虫大国だった!

2017/03/07

20150711昆虫今世界で昆虫食が注目されています。

それは国連食糧農業機関(FAO)が今後起こると予想されている世界の食料危機の解決策の一つとして昆虫食を推奨しているからです。

食べる昆虫というとイナゴの佃煮を思い浮かべる人も多いと思います。しかし、日本では昆虫に対する一般的な印象は悪く、昆虫食はゲテモノとみなされてきました。

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こういう風潮は昔からだったのかというと、意外にも昔、日本では昆虫はよく食べられていたようなのです。

日本での昆虫食の歴史

日本は昔から昆虫の種類が多い昆虫大国で、各地方でイナゴや蜂の子、蚕さなぎ、セミなどが伝統食として食べられてきました。

江戸時代以降は文献などで多くの昆虫食の記録が残されています。
一般庶民がよく食べていた昆虫には、イナゴ、ゲンゴロウ、タガメ、スズメバチ類の幼虫、カミキリムシの幼虫などがあり、調理法も煮る、焼く、漬けるなど様々でした。

大正時代にその当時の農商務省によって行われた全国的な調査によると、昆虫食は、ハチ類14種類、ガ類11種類、バッタ類10種類など合計55種類に及び、地域別では長野県の17種類を筆頭に、41都道府県で昆虫食を食べていたそうです。

明治以降農薬が普及して、自然環境の中で人々が昆虫と接する機会が減り、食の欧米化や都市化に伴い次第に昆虫は食べられなくなりました。

しかし、現在でも昆虫食が食べられている地域があります。それは長野県です。
長野県は四方を山に囲まれているため、海の魚を入手しにくかったことから、昆虫食が発展していったようです。

どのような昆虫が食べられているのでしょうか。

蜂の子は日本での代表的な昆虫食の一つです。
蜂が分泌するローヤルゼリー、プロポリスは世界中で食べられていますが、蜂の幼虫である蜂の子を食べるのは唯一日本だけです。

蜂の子は調理してご飯と一緒に食べるのが一般的で、蜂の子の成虫である蜂も油で揚げたり、佃煮にして食べたりされています。

また、イナゴもよく食べられています。食べ方としては佃煮や甘露煮が有名ですが、これ以外に茹でてから乾燥させて味噌と混ぜ合わせたり、火であぶると言った食べ方もされています。

蚕はサナギになる時、糸を吐いて繭を作って自分を包み込みますが、糸を取ったあとの蚕のさなぎは、佃煮にして食べるのが一般的です。

長野県の伊那地方で、近くを流れる天竜川で獲れた昆虫がざざむしの佃煮として調理されています。

長野県では地元の人が食べるだけでなく、食品メーカーからは「蜂の子」、「まゆこ」、「ざざむし」といった商品が販売されています。

「蜂の子」はクロスズメバチの幼虫やサナギ、「まゆこ」はカイコガの水炊き、「ざざむし」は冬の天竜川で採集される水生昆虫の幼虫の大和煮です。

イナゴの甘露煮や佃煮はスーパーでも売られていて、ほぼ全国的に販売されている唯一の食用昆虫です。

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海外では日本と比較すると、もっと一般的に昆虫が食べられているようです。

海外の昆虫食

海外ではアジア、アフリカ、南米を中心に20億人が1900種類以上の昆虫を食べていると言われており、昆虫は世界的にはごく一般的食文化のようです。

世界で多く消費されている昆虫は、甲虫(31%)、芋虫(18%)、ハチ、狩ハチ及び蟻(14%)、バッタ、イナゴ及びコオロギ(13%)などです。

ヨーロッパでは昆虫食がビジネスとして広がりを見せています。
フランスでは、ここ数年で昆虫食を製造する企業が140社以上設立されました。

ベルギーでは、EU内では初めて昆虫食認可の条例が発効されています。

国連がなぜ昆虫食を推奨するの?

2016年時点での世界人口は約73億人ですが、2050年頃には100億人近くに達し、このままでは深刻な食糧危機に直面すると国連食糧農業機関(FAO)は指摘しています。

この人口を支えるには、食糧生産を倍増する必要があり、特にタンパク質の不足が心配されています。その解決策の1つとして、栄養価が高く、食肉用の家畜に比べて少ないエサで育てることができる昆虫食をFAOが推奨しているのです。

昆虫食のメリット

栄養価が高い

昆虫の多くは、高タンパクで脂肪分に富み、カルシウム、コレステロールを減らす不飽和脂肪酸、ビタミンや食物繊維的な働きをもつキチン、ミネラルが豊富で栄養価が高いのです。

生産効率がよく、環境に優しい

昆虫は変温動物なので飼料変換効率(肉1kgを生産するのに必要な餌の量)が非常に高いのです。
昆虫の種類にもよりますが、概ね昆虫肉1kgの生産に2kgの飼料が必要なのに対し,牛肉を1kg生産するためには8kgもの飼料が必要なのです。

飼育においても、昆虫は牛のようにメタンガスなどの温室効果ガスを排出せず、成長が速く、水や餌が少なくて済み、畜産ほどに場所を取りません。

昆虫は人間が食べない生活廃棄物を餌にすることができ、家畜の飼料としても使用できます。

昆虫食のデメリット

昆虫はカニやエビに近い動物です。カニやエビのアレルギーがある人は昆虫は食べないほうがいいようです。

 

以上のように将来の食糧危機を解決するために推奨される昆虫食ですが、昆虫食が日本で普及するためには先ず、虫を食べることに対して日本人が持っている根強い嫌悪感を払拭するのが先決なような気がします。

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