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健康

握力で寿命が分かるってほんとうなの?

2017/02/11


         
以前から言われていることですが、握力を測定することでその人の寿命が分かると言われています。握力より血圧の方がよほど健康に関係しているように思えますが、握力の測定で寿命が分かるってほんとうなのでしょうか?
 

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握力と死亡リスクの関係

握力と死亡リスクについて研究内容を2つ紹介します。

福岡県久山町の研究

福岡県に久山町の循環器健診を受診した40歳以上の住民のうち、脳卒中、虚血性心疾患、悪性腫瘍の既往のある者を除いた 2527人(男性1064人、女性1463人)を対象として1988年から2007年までの19年間追跡調査を行いました。

1988年に握力を測定し、2007年までに783人が死亡しました。
握力レベルを男女各々3つのグループに分け、統計的処理をした結果、握力レベルが高くなるほど死亡リスクが減少するという結果が得られました。

福岡県久山町は人口約 8,400 人比較的小さな町です。ここの住民の年齢構成、職業構成、栄養摂取状況などは過去50年以上にわたり全国平均とほとんど変わりがないことから、標準的な日本人のサンプル集団として、疫学調査が行われてきました。

カナダのマクマスター大学の研究

カナダのマクマスター大学の研究では、17カ国の35~70歳の成人14万人弱を対象に握力試験を実施して、4年間にわたる追跡を実施しました。

その結果、握力が5kg低下すると以下のようなことが明らかになりました。

・死因を問わない死亡リスクは16%上昇
心臓関連死リスクは17%上昇
非心臓関連死リスクは17%上昇
脳卒中リスクは9%上昇
心臓発作リスクは7%上昇

以上のようにいずれの場合も握力が強いほど死亡リスクが小さくなるという結果が出ています。

握力は全身の筋力の指標

握力は単に物をつかむというだけでなく、体の他の筋力との相関関係が高く、全身の筋力の程度を知る指標とされています。

例えば、西九州大学の高齢者を対象者した研究によると、握力と相関が高いものとして以下の項目が上げられています。

・足把持力(足の指の力)
・大腿四頭筋の筋力
・骨格筋量
・片足立ち保持時間
・上体起こし
・10m障害物歩行時間
・6分間歩行距離

握力はサルコペニアの診断基準の1つ

サルコペニアというのは、主に加齢に伴う筋肉量の減少を意味する医学用語です。

サルコペニアかどうかを診断する基準の一つとして、握力が使われていて、診断基準は男性が26kg未満、女性が18kg未満と規定されています。

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筋力と免疫力

筋力が低下するということは筋肉量が減少するということです。筋肉が減少すると以下のリスクがあります。

免疫機能の低下

筋肉にはアミノ酸の一種であるグルタミンが含まれています。

私たちが病気になると、筋肉を壊してグルタミンを体に供給し、免疫細胞のリンパ球を増やし、病気と戦います。
筋肉がなくなるとグルタミンを供給できないのでリンパ球を増やすことができず、免疫力は低下します。

血糖値の上昇

食事をすると、血糖値が上がりますが、この時、糖は一時的に筋肉に糖を蓄えることにより血糖値をコントロールします。

筋肉量が少なくなると貯蔵庫としての機能が衰えるため、血液中に糖があふれることになり、血糖値が上り糖尿病になりやすくなります。

血糖値が高い状態が続くと、全身の血管がダメージを受け、動脈硬化の原因となります。
動脈硬化が進行すると血管がつまり、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞など重大な病気を引き起こします。

筋力が低下するということは、免疫力が低下したり、糖尿病のリスクが大きくなったりということで、死亡リスクが高まり、寿命が短くなるということです。

従って、全身の筋力の指標となる握力で寿命が分かるということです。

まとめ

筋力の低下、筋肉量の減少は免疫力の低下につながるため、死亡リスクが高まります。
全身の筋力を反映する握力により、死亡リスク、寿命の長短を知ることができるのです。

ただ、握力だけを鍛えれば、長寿につながるということではなく、全体的な筋力を強くすることが、長寿につながるのです。

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