トレンドピックアップ

気になる話題、旬の情報をお届けします。

暮らしと生活

深刻なマイクロプラスチック(マイクロビーズ)による海洋汚染

2016/07/20

20160124マイクロプラスチック

今、世界中の海にはマイクロプラスチックと呼ばれる微小な大きさのプラスチィックのごみが推計で5兆個以上浮遊していて、餌と間違って食べた小魚や、海鳥などの生き物への影響が心配されていて、海洋汚染が深刻な状況になってきています。

スポンサードリンク

マイクロプラスチックの現状

海洋ごみの約70%はプラスチックゴミで占められています。このうち大きさが5mmを下回るものをマイクロプラスチックと言います。

その元となるのはレジ袋やペットボトルなどのプラスチック製品です。

このマイクロプラスチックは石油からできているため、油に溶けやすいPCB、油そのもの、農薬のDDTなどの有害物質を吸着する性質があり、最大100万倍に濃縮されるといわれています。

このマイクロプラスチックを餌と間違って食べた魚類や、海鳥などの生き物への影響が心配されています。

海鳥の場合、消化管がプラスチックで詰まったり、消化管の内部がプラスチックで傷つけられたり、栄養失調の原因になるなど大きな脅威になっています。

マイクロプラスチック自体は体内に入っても排出されるので問題はないといわれていますが、小魚がマイクロプラスチックを取り込むと、それを食べる魚に有害物質が蓄積され、食物連鎖の中で、有害物質が濃縮されていき、最終的に魚を食べる人間にも影響が及ぶと考えられています。

日本の近海はマイクロプラスチックの密度が高く、世界各地の平均値より、27倍も高いという結果が得られています。

2016年4月には東京農工大の研究チームが東京湾で捕れたカタクチイワシの8割近くの内臓からマイクロプラスチックを検出したという調査結果をまとめました。

これの一因は廃棄物管理のインフラが整っていない中国、インドネシア、フィリピンなどのアジアの国々から大量のごみが海へと流出し、それが粉々になりながら日本近海へと流れてきていると考えられています。

スポンサードリンク

マイクロプラスチックの発生原因

マイクロプラスチックの発生源と疑われているものは以下のようなものがあります。

海に流出したプラスチックが波などの機械的な力や太陽光などによる光化学的反応により、壊れてだんだん細かい断片になる。

合成繊維の衣服に含まれているマイクロプラスチックの成分が洗濯により生活排水として流れ出し、下水道から海へ流れ出る。

歯磨き粉、洗浄ジェル、顔用クレンザーなどに使われているマイクロビーズが生活排水として流れ出し、下水道から海へ流れ出る。

マイクロビーズはマイクロプラスチックの中でも特に小さな0.1mmほどの大きさのものをいい、ポリエチレン、ポリプロピレンが原料です。
1つの商品に4万個ものマイクロビーズが入っているものもあります。

海外では排水処理施設をすり抜けて海へ流れ出るという報告もあり、問題視されています。

京都大学の研究チームは関西の水がめとなっている琵琶湖の水質汚染の調査を行っています。

その結果、琵琶湖の水や泥から広範囲にわたってマイクロプラスチックが確認されました。今後はどのような経路でマイクロプラスチックが琵琶湖に入っているのか調査するそうです。

海洋汚染問題の対策

生分解性プラスチックの開発

生分解性プラスチックはすでに少しずつ使われ始めています。
生分解性プラスチックは、使用中は普通のプラスチックと同じような性質を持っており、廃棄後はできるだけ早く分解する性質が必要とされます。

現時点で、生分解性プラスチックの利用が一部にとどまっている理由は、通常のプラスチックに比べて耐久性、機能性が劣ることや価格が高い(4~5倍)ためです。

プラスチックを分解する細菌の研究

イデオネラ・サカイエンシスは京都工芸大学が発見した細菌で、プラスチックを 二酸化炭素と水に分解する酵素を産出します。

現在慶応義塾大学ではどのようなプラスチックで有効かを検証しているところです。

マイクロプラスチックの規制

日本

環境省によると海洋汚染の状況を調査し、実態把握に努めているところで、現時点でマイクロプラスチックの法規制の予定はありません。

2016年3月化粧品会社の団体である日本化粧品連合会がマイクロビーズ使用の自主規制を開始すると発表しました。

米国

マイクロビーズの製造は2017年で、販売は2018年で禁止する法律が制定されました。

欧州、オーストラリア、カナダ

マイクロビーズの規制に関する法律化を検討中です。

伊勢志摩サミットに合わせて開催されたG7環境大臣会合では「マイクロプラスチックが海洋生態系にとって脅威」との声明が出され、各国が連携して海洋でのマイクロプラスチックの拡散状況の観察や回収に取り組むことが確認されました。

スポンサードリンク

-暮らしと生活