トレンドピックアップ

気になる話題、旬の情報をお届けします。

教養・雑学

牛乳はなぜペットボトルで販売されないの?

現在、様々な飲料がペットボトルに入れられて販売されています。

しかし、牛乳は紙パックか瓶に入れて販売されていますが、ペットボトル入りのものは、見かけません。

一方、 海外に目を向けると1ℓをはじめ2ℓ、数ℓ といった大容量の牛乳のペットボトルが販売されています。

ここでは、なぜ日本では、ペットボトル入りの牛乳が販売されないのか記載しています。

スポンサードリンク

牛乳は腐敗しやすい飲料

食品の腐敗のしやすさは、栄養分、温度、ph値、炭酸の有無、抗菌成分の有無などによって分かります。

牛乳は生物に対する栄養分が多く、ph値が7とほぼ中性で、炭酸ガスやカテキンなどの抗菌成分もないため、常温では微生物がたいへん増殖しやすく、腐敗しやすい飲料です。

ペットボトルのリシール性

ペットボトルは、キャップを開封して口をつけて、少し飲んだ後、再び、キャップを閉めることができて、常温での持ち歩きにはたいへん便利です。

しかし、口の中には多くの微生物がいて、ペットボトルの口から、直接牛乳を飲んだ場合、口の中の微生物が牛乳に入る可能性があります。

牛乳は腐敗しやすい飲料のため、口をつけたペットボトルの牛乳はたいへん危険な状態になります。

このため、昔の食品衛生法の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(以下乳等省令と記す)では、牛乳の容器としては、瓶か紙容器しか使用することができないようになっていました。

近年になって、牛乳は販売量が減少する一方で、他のペットボトル飲料の販売量が増加する中で、乳業メーカーは、牛乳の販売量を増やすために、ペットボトルでの牛乳の製造販売を要望した結果、2007年10月に乳等省令が改正され、ペットボトル入り牛乳の製造販売が認められました。

この時の条件として、食中毒を防止するため

(1) 常温で持ち運びしない一度での飲みきり容量として、 350 mℓ以下の容量

(2)キャップを開いて直接口をつけて飲むことや、常温で持ち運びをすることがなく、開栓後は冷蔵保管される容量として、720 mℓ以上の容量

と容器の容量の制限をつけました。

また、表示については, 10°Cを超える場所には長時間置かないこと、飲みきり容量の場合には、開栓したらできるだけ早めに飲みきること、また、冷蔵保管される容量では、直接口をつけて飲まないことや、開栓後は、出来る限り早く消費することを容器に表示することを定めました。

乳等省令の改正後、かなり時間が経過していますが、いずれのメーカーからも、ペットボトルの牛乳が販売されたことはありません。

スポンサードリンク

牛乳のペットボトルはなぜ販売されない?

ペットボトル入りの牛乳が販売されない理由は以下のようなものが考えられます。

生産設備の投資額

その理由の1つとして想定されるのが、製造ラインに対する投資額の問題です。

牛乳をペットボトルに充填する方法としては、ホット充填方式と無菌充填方式があります。

ホット充填方式は無菌充填よりも少額で済みますが、牛乳は熱による劣化が大きいため、牛乳のおいしさを維持するためには、充填時に80℃以上の高温になるホット充填方式は使用できず、無菌充填で行う必要があります。これには、数十億円の投資が必要になります。

生産する容量も350mℓ以下か720mℓ以上と限定され、そのラインで牛乳のみをフル生産することは、非常に難しく、設備の償却年数が長くなってしまいます。

容器のコスト

牛乳は蛍光灯などの光照射を受けると、揮発性物質が生成され、風味が劣化し、成分の分解による栄養価の低下などが起こる危険性があります。

このため、既存のペットボトルをそのまま使用することはできず、ペットボトルの牛乳で は遮光性をもったフィルムでペットボトルの全面を覆うとか、遮光性の性質をもった材料を予めペットボトルに混ぜるなどして、何らかの対策をとる必要があります。

ペットボトルは元々、紙容器よりコストがかかり、さらに、紫外線対策のため、よりコストアップとなります。

以上のように、設備投資や容器のコストの問題があり、ペットボトル入り牛乳の製品化が難しいのではないかと考えられます。

まとめ

現在、様々な飲料がペットボトル入りで販売されていますが、牛乳は紙容器または瓶入りのみです。

2007年に、食品衛生法の乳等省令が改定され、牛乳のペットボトル入りの製造販売が認められました。

しかし、現在まで、いずれもメーカーからも、ペットボトル入り牛乳は販売されていません。

これは、生産設備に数十億円の費用がかかることと、紙容器と比較した時のペットボトルのコストアップが原因と考えられます。

スポンサードリンク

-教養・雑学