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緑のカーテンはどれくらい効果があるの?温度、節電効果は?

2017/05/13


緑のカーテンは窓の外側にネットを張り、ツル性植物を植えて、ツルをネットに絡ませることにより、カーテンのように窓を覆うもので、グリーンカーテンとも呼ばれています。

省エネの効果があることから、電力会社や地方自治体などが推奨していて、気軽にできるので、取り組む人が増えてきています。

ここでは、緑のカーテンはどれくらいの温度低減や節電の効果があるのかをご紹介します。

緑のカーテンの効果

太陽光が持つ熱エネルギーを、スダレでは約50~60%、高性能の遮蔽ガラスで約55%カットするのに対して、緑のカーテンでは約80%をカットする効果があるといわれています。

実際にどのようにして緑のカーテンが太陽光により、熱をカットするのか見てみましょう。

日差しを遮る

太陽からの光が物にあたるとその物体の温度は上がります。

太陽光は電磁波の一種で、電波、赤外線、可視光線、紫外線、X線などが含まれます。

このうち赤外線、可視光線が物体にあたると、物体の分子を振動させて、その振動エネルギーが熱エネルギーへと変化し、物体の温度は上がります。

太陽からの光が緑のカーテンにより遮られると、熱の原因となる赤外線、可視光線の多くが反射されるため、部屋の温度上昇が抑制されます。

これはスダレによる遮光と同じ効果です。

緑のカーテンにはこの遮光以外の効果もあります。

蒸散により周囲の温度を下げる

スダレは太陽の光を遮ることはできますが、長時間日光にあたっていると、スダレ自体が温まり、その熱が部屋の中に伝わります。

植物は、地面から吸い上げた水を茎の中に蓄え、葉にある気孔の表面から水を蒸発させています。これを蒸散作用といいます。

水分が蒸発する時には周囲から熱を奪うので葉の温度上昇が抑えられます。そのため緑のカーテンの温度は周囲温度より下がるので、部屋に伝わる熱が少なくなり、窓ガラス、床、壁の温度、気温の上昇が抑えられます。

緑のカーテンによる温度の低減効果の実測例

下のグラフは、小学校の2階の隣り合う2つの教室のうち、片方は緑のカーテンで太陽光が遮られている場合、他方は緑のカーテンがない場合の測定データです。

熱の発生は日射量により異なります。

左のグラフは、横軸に日射量、縦軸は緑のカーテンがある場合とない場合の教室内の気温差、
右のグラフは、横軸に日射量、縦軸は緑のカーテンがある場合とない場合の教室内の作用温度の温度差を示しています。

開校日は窓を開放し、休校日に窓を閉じています。

窓が閉じられている状態では、気温差は約4℃、作用温度は約6℃、
窓が開けられている状態では、気温差は約1℃、作用温度は約6℃

となっていて、緑のカーテンにより、温度の低減効果があります。これは日射量が大きい場合です。日射量が小さい場合は、これより小さくなります。

出典:http://leo.nit.ac.jp/~narita/profile/paper/ceis2007-midoriK.pdf

人が暑さ、寒さを感じるのは気温のみでは決まりません。壁、天井、床などの周囲温度によっても変わってきます。

体感温度を表す指標の一つに作用温度があります。
作用温度を計算するのに、複雑な計算式がありますが、近似的に気温と平均放射温度の平均値で計算することができます。

作用温度=(気温+平均放射温度)÷2

平均放射温度というのは、部屋の壁4面と天井、床の温度を平均した温度で、グローブ温度計により測定することができます。

窓が開けられている状態では、気温差は最大で約1℃しかないのに対して、作用温度は約6℃となっているのは、窓、壁、床などの平均輻射温度が緑のカーテンがある場合は、ない場合より大幅に低下しているためです。

これらの結果から、エアコンで冷房した時、電気代をどれくらい節約できるかを求めることはできませんが、別の事例では会社やオフィスなど日中エアコンをつけっ放しにするような場合には、約30%の電気代を節約したケースもあります。

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緑のカーテンのおすすめの植物は?

緑のカーテンにはヘチマ、ゴーヤ、キュウリなどのツル性植物がよく植えられます。

ヘチマ

ヘチマは成長が早く、うまく育てば、約3ヵ月で5m以上の高さまで成長します。ヘチマの葉は大きく茎も太くて、折り重なるように生えるので、しっかりと影がつくられます。
狭いスペースにたくさん植え過ぎると、うっとうしくなってしまう場合があるので注意しましょう。

ゴーヤ

緑のカーテンといえばゴーヤというほど、ここ数年で全国的にメジャーな野菜となりました。
ゴーヤは、日除け効果以外にも、栄養面的にも優れた野菜です。南国の植物なので、夏の暑さにも強く、病害虫が発生しにくいです。

また、葉の茂り方、大きさ、厚さがちょうどよく、真っ暗になるほど日を遮らず、明るい緑色をしているので、日光をやわらかく遮ってくれます。

キュウリ

ゴーヤでは明るすぎるし、ヘチマでは暗すぎるという方におすすめなのがキュウリです。

もともと、インド原産の植物なので暑さに強く、夏が旬の野菜ですから、毎日のように収穫することができます。

まとめ

緑のカーテンの温度の低減効果、節電効果は小さくはありませんが、カーテンの規模、形状、葉の重なり具合、気象条件,建物の形状などにより大きく影響を受けます。

7月~9月の3ヶ月間に効果を期待するためには、4月くらいから準備をしないといけません。
毎日の世話は欠かせませんし、終わった後ネットから絡まったつるを引きはがすなどの後始末も大変です。

電気代の節約だけを目的に緑のカーテンを始めると後悔することにもなりかねません。

あくまでも植物を育てることを楽しもう、そのついでに電気代も節約できたらいいなというくらいの気持ちで始めるのがいいのかもしれません。

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引用文献
緑のカーテンが教室の温熱環境に及ぼす効果(日本工業大学 成田健一氏 )

 

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