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耳掃除は不要?それとも必要?

耳掃除は日本では、平安時代末期から行われていたと考えられています。江戸時代には浮世絵に耳掃除をしている様子が描かれていて、耳かきを生業とする人もいたようです。

現在でも歯磨きや洗顔と同じような感覚で私たちは耳掃除を行っています。

あるアンケート調査によると、「かゆくなるから」、「習慣やクセで」、「清潔に保ちたい」などの理由で日本人の9割以上が耳掃除をしているそうです。

しかし、アメリカ耳鼻咽喉科学会によると、耳垢が溜まるのは自然なことで、何らかの症状がなければ、耳垢はそのままにしておくのが良く、耳掃除のやり過ぎは危険と警告しています。

ここでは、耳掃除がなぜ不要なのかをご紹介します。

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耳垢

耳垢は外耳道(耳の穴)にある耳垢腺と皮脂腺という2種類の腺からの分泌物に、外耳道の皮膚が新陳代謝によって剥がれ落ちたものや毛髪、ホコリなどが混ざってできたものです。

耳垢はカサカサとした乾性耳垢とベトベトとした湿性耳垢の2種類に分けることができます。

日本人の約4分の3は乾性耳垢で、欧米では湿性耳垢が多いと言われています。

これらの性質は遺伝によって決定され、耳垢腺からの分泌物の量の差や、耳垢腺自体の数によります。

耳垢は単に汚いものではなく、以下のような重要な役割を果たしていて、これを取ることはよくないのです。

・外部から入ってくるゴミ、虫などが耳の奥に入らないように保護する。
・耳垢は弱酸性で抗菌作用があり、細菌から保護する。
・耳垢に含まれる脂によって、外耳道の皮膚の水分を保持する。

耳掃除が不要な理由

耳垢は自然に排泄される

耳垢は何もせず放置すると、少しずつ入り口の方に移動していき、自然に排泄されます。
このため、耳掃除による耳垢の除去は不要です。

耳掃除をすることの弊害

耳垢は不要であるばかりでなく、耳掃除をすると、以下のような病気の原因になる可能性があります。

耳垢栓塞(じこうせんそく)を起こす

綿棒などで耳掃除をすると、耳垢が奥に押し込まれてしまい、鼓膜の手前で栓のようになり、聞こえにくくなります。

外耳道炎を起こす

耳かきなどで耳掃除をすると、外耳の皮膚を傷つけ炎症を起こします。

炎症が繰り返されると、傷ついた部分に表皮の一部が入り込み、この状態で外耳道の皮膚が修復されて塞がると、中に入った表皮の一部が新陳代謝を続けて、どんどん大きくなり、垢を出し続けていき、皮膚の内部で外耳道真珠腫というものができます。真珠腫が増殖を続けると、外耳道の皮膚を突き破り、外耳道に露出を始めます。

真珠腫が一度できると、除去しても骨に真珠腫の根っこが残るので、時間が経つと、また、真珠腫が大きくなり、定期的に除去し続けなければならなくなります。

鼓膜を傷つける

耳掃除をしている時に、だれかがぶっつかってきたりして、鼓膜を傷つけることがあります。

以上のように耳掃除は百害あって一利なしです。

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日本耳鼻咽喉科学会では

日本耳鼻咽喉科学会のホームページには、耳掃除は不要とは記載されていませんが、耳垢は個人差はありますが、少しずつ入り口の方に移動していくので、耳掃除は綿棒などで見える範囲のものを無理せずに取りましょうといった内容が記載されています。

耳垢ができる箇所

耳の入り口から鼓膜までの距離は約3.5cmです。
耳垢は、耳穴の入り口から約1.5cmまでの間にしかできません。それより奥を耳掃除しても意味がないのです。

耳掃除が必要な場合

人によっては、耳垢が溜まり易かったり、かゆくなったり、ごそごそ音がしたり、聞こえにくくなったり、また、外耳道が狭くて、耳掃除がしにくいこともあるようです。

そのような場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。

耳垢を取ることは診療行為の一つになっているため、保険が適用されます。

まとめ

日本人にとって、耳掃除は習慣の一つになっていますが、耳垢には重要な役割があり、放置しても、通常は自然に排泄されます。このため、耳掃除は不要です。

耳掃除をすることにより、悪い影響が出ることがあります。耳垢を放置することにより、聞こえにくくなるなど、何らかの症状がない限りはそのままにしておくのがよいようです。

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