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雪でできた「かまくら」はなぜ暖かい?

雪でできた家といえば、かまくらを思い浮かべるのではないでしょうか。

雪があまり降らない地域に住んでいる人は、かまくらの実物を見たことはないにしても、テレビなどでは見たことがあると思います。

本記事では、かまくらの由来、かまくらの内部が意外に暖かい理由、なぜドーム型の形状をしているのかを記載しています。

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かまくらの由来

かまくらは秋田県、新潟県など日本の豪雪地域に伝わる小正月の伝統行事です。

道端に雪を積み上げ、内部をくり抜いたドーム型の雪室を作り、内部には正面に祭壇を設けて水神を祀ります。水神は飲料水や水稲耕作に必要な水を司る神様のことです。

祭壇には餅、ミカン、甘酒などを供え、下にむしろや毛布などを敷き、コンロを持ち込んで、子供たちは餅を焼いたり、甘酒を沸かして飲食します。

通りがかった人は中に入り、水神様に餅や賽銭を供え、家内安全、商売繁盛、五穀豊穣などを祈願します。子供たちは甘酒をふるまいます。

かまくらの語源は、定説はありませんが、形が竃(かまど)に似ているから竃蔵であるとする説や、神の御座所「神座(かみくら)」が転じたものであるとする説など諸説あるようです。

かまくらの中はなぜ暖かい?

雪は寒い時に降るので、雪で作ったかまくらの中は寒いように思いますが、実は意外と暖かいのです。これはなぜなのでしょうか?

かまくらは出入り口が正面の1カ所で、風下の方向に入口を作ります。

こうすることにより、外気の冷たい空気があまり中に入らないので、コンロなどで暖を取って、いったん中が暖まれば、その状態を保つことができます。

かまくらは雪でできています。

雪は氷の結晶ですから、雪自体は冷たいですが、雪には熱を伝えにくい性質があるのです。

熱を伝えにくいということは、断熱性が高い、別の言い方をすると熱伝導率が小さいということです。

熱伝導率は、ある物体の単位面積を通して単位時間に流れる熱量を、その面に垂直な方向の温度勾配で割った値です。

厚さ1メートルの板の両面に1℃の温度差があるとき、その板の面積1平方メートルの面を通して1秒間に流れる熱量です。

要するに、熱伝導率の値が大きいほど熱を伝えやすく、熱伝導率が小さいほど熱を伝えにくいということになります。

つまり、熱伝導率の値が小さい物質で構造物を作るほど、構造物内部の温度は外気温に左右されにくいということです。

雪の熱伝導率は密度により変わり、密度が低いと0.1(W/mK)より小さくなります。これは断熱材としてよく用いられる発砲ウレタンと同レベルの値です。

踏み固めて密度が高くなると0.6(W/mK)程度になります。

この値はコンクリートの1.6(W/mK)、壁の材料に使用される漆喰0.7(W/mK)より低く値です。

かまくらの中では、コンロなどの火によって暖められた空気が上へ昇り、天井まで上がると行き場がなくなるので、下に降りるという循環が起こっています。

かまくらの内部は狭い空間のため、この暖かい空気の循環が活発に行われます。

雪の壁の断熱効果により、外気温の影響を受けにくいので、結果として、かまくらの内部は暖かいことが分かります。

中で火がない状態では、外気温が1℃のとき、かまくら内部の温度は5℃となったというような実測データがあります。

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かまくらはなぜドーム型?

かまくらの形状は四角い立方体に作ってもいいと思うのですが、天井がドーム型の丸い形状をしています。

かまくらが四角ではなく、丸いのにはそれなりの理由があります。

それは強度を強くするためです。

ドーム型という形状は、上から見ても横から見ても、滑らかな流線型をしており、強風を受けても多方面に風を受け流すので、風の抵抗を受けにくく、風の被害を受けにくいのです。

かまくら自体の重さや積雪の重量を建物全体に均等に分散して支えるため、重さに耐える強固な構造となっています。

四角で作った方が中の空間が広く使えてよいように思えますが、構造的に見てこのようなドーム型の方が安全性は高くなるのです。

かまくら以外でも、同じようにドーム型の構造はたくさんあります。たとえば、
トンネルの天井、野球場のドーム、太鼓橋、ドームハウスなどです。

以上のようにドーム型をしたかまくらの形状は構造的に理にかなっているといえるのです。

まとめ

かまくらは北陸地方などで行われている小正月に行われる伝統行事です

かまくらの出入り口は、風下に作られており、また、かまくらの材質である雪は断熱性にすぐれているため、かまくらの内部は外気温の影響を受けにくく、意外と暖かいのです。

かまくらのドーム型の形状は、構造的に強度が高く、重さや強風にも耐えることができるのです。

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