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無電柱化のメリット、デメリット~日本はなぜ進まないの?

2017/01/29

無電柱政府は2020年の東京五輪・パラリンピックまでに、都心を通る道路の無電柱化をめざしています。

先の衆院選で自民党が選挙公約に「無電柱化の推進」をあげていて、小池都知事が衆院議員時代に中心になって推進してきた無電柱化ですが、まだ、無電柱化推進法案も成立していません。

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日本は世界的に見て無電柱化が遅れており、景観を損ねる電柱、電線は日本を訪れる外国人観光客にとって大きなイメージダウンになっています。

無電柱化とは?

無電柱化とは地上に出ている電力線、通信線などを道路の地下空間に電線共同溝を設置してその中に収納したり、裏通りに電線類を配置し、表通りから見えないように裏配線することにより道路から電柱をなくすことです。

無電柱化のメリット

・景観が改善されます。

・地震や台風などの災害時に電柱が倒れたり、電線が垂れ下がって道路などがふさがれ
   るのを防止します。

・道路が広く使えるようになり、お年寄りや車椅子の方、ベビーカーなどの通行が
   スムーズになります。

無電柱化のデメリット

・電線をひくのに地中に埋める場合には従来の電柱を立てる場合より大幅にコストが
 アップします。

   現在日本全国には約3500万本の電柱があるといわれおり、これらの電柱すべてを
 地中化するには膨大な費用がかかります。

・地震などの自然災害時に復旧するのに時間がかかります。

海外、日本での無電中化の現状

ロンドン、パリ、香港、台北、シンガポールなど欧米、アジアの主要都市での無電柱化は93~100%と非常に進んでいます。

出典:国土交通省HP

一方日本では1986年から無電柱化の整備が推進されてきていますが、全国的には約1%、東京23区で7%、大阪市で5%と立ち遅れています。

現在全国にある電柱の総数は約3500万本で、減るどころか毎年約7万本のペースで増え続けています。

海外では昔から無電柱化が進んでいたの?

ロンドンでは、19世紀末に街灯を建てることが重要な公共事業の一つでした。ガス管はその時すでに地中化されていて、ガス管との競争条件を同じにするために「電気法」が制定され、架空線が禁止された経緯があります。

ニューヨークでは、かつて電線が蜘蛛の巣のように張り巡らされていて、当時の電線は裸線(被覆のない電線)であったため、感電による事故が多発していたので、行政主導により電線の地中化が進められました。

香港では、旧宗主国である英国の方式に基づき、電線の地中化が進みました。

台北では市街地の幹線ではない道路において、日本の軒下配線のような手法を用いた配線が多く、無電柱化率が高くなっています。

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日本の無電柱化はなぜ進まないの?

無電柱化のデメリットで記したように、地中に埋める場合は電柱の場合よりコストが大幅にアップするためです。

海外はシンプルな工事で無電柱化しているのに対して、日本は安全を重視するために、高規格で高価な電線共同溝方式で工事を行います。

この方式では地中化コストの約半分は、ケーブルを収納する管路材や、接続部などの材料費であると言われています。

東京都の場合は、都道のうち、2328kmを無電柱化の対象にしていて、1986年から現在までに819kmが工事を完了しています。

電線共同溝方式では1kmあたり約3億5000万円の費用がかかり、残り1509kmを無電柱化するのに約5300億円の費用が必要です。

出典:国土交通省HP

国土交通省は、コストを抑えるための新しい手法の研究を進めてきており、その内容を2015年2月18日に公表しました。

それによると地表から深さ85センチの場所に埋めるこれまでの手法に対し、新たな手法では、電線を直接、地表から25センチの場所に埋めるとしていて、コストは従来の半分程度に抑えられるそうです。

無電柱化にかかる費用はどこが負担する?

国土交通省による無電柱化に係るガイドラインの中で無電柱化の費用負担については国土交通省のホームページには道路管理者、電線管理者が負担すると記載されています。

このため無電柱化による費用負担はいずれ我々の税金、電話料金などに跳ね返ってきます。

まとめ

無電柱化は世界的な流れです。

日本では1986年から無電柱化の整備が推進されてきていますが、これには膨大な費用がかかりあまり進んでいません。


消費税増税、社会保障負担が増加している現状において地震大国日本の無電柱化の推進は前途多難なようです。

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関連書籍
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