アメンボの食べ物は?水に浮く理由、生態などをご紹介!


春先や夏に池や沼、水溜まりなど水面上に生息するアメンボは、水面をスイスイと移動することから、英語ではpond skaterとかwater striderとか呼ばれています。
ここでは、アメンボの食べ物や水に浮く理由、仕組みや生態、名前の由来などをご紹介します。

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アメンボの食べ物は?

アメンボは完全な肉食系の昆虫です。
アメンポは水面に落ちて動けなくなっている、小さいハエ、蚊、バッタ、チョウ、毛虫などの小さな虫を餌にしています。

小さな虫が水面でバタバタしているのを足の先で感じ取り、すばやく近づいてストロー状
の口から消化液を出し、虫の体の組織を溶かして体の体液を吸い出します。

それがまるでクモのようであることから、アメンボは別名カワグモとも呼ばれています。

アメンボの食べ物の見つけ方

アメンポは水面でじっと獲物が現れるのを待っているのではありません。

アメンポの脚先には、水面に伝わる波を敏感に検知するセンサーがあります。

獲物である昆虫などが水面に落ちると、周囲に水の輸ができます.この水の輪は、水面を伝わって大きく広がります。
アメンボの脚先の毛の中には、水面の波を検知する毛(感覚毛)が含まれていて、波のくる方向や位置を知ることができ、獲物を素早く見つけることができるのです。

待ち構えているアメンボは目にも止まらぬ速さで獲物に飛びかかっていきます。

家で飼育する場合の食べ物

アメンボは肉食なので家で飼う場合には、ハエ、蚊、クモなど生きた昆虫などの餌の確保が大変です。
しかし、生きた虫でなくても、ハチミツミルワームアカムシなどでも虫の代用にはなります。

ハチミツは10倍くらいにうすめて脱脂綿に含ませて、発砲スチロールなどの水に浮く材質のものに乗せて水に浮かべればよいでしょう。

アメンボが浮く理由

アメンボの不思議なところは、体を水につけずに浮いていることです。
6本の脚先だけを水面上に乗せ、体は宙に浮かせて、スケートのように滑っているのです。

水に浮くことができる理由は、アメンボの体重が約40mgと軽いだけでなく、脚の構造に秘密があります。
脚の先には細かい毛が密集して生えていて、この毛が水をよく弾き表面張力を生み出します。

さらに、表面張力の膜を破らないために、脚のツメがやや手前に付いています。さらに脚先からは油のような体液が染み出ていて、アメンボは常時これを脚の毛に塗っておくことで水を弾き、長い中脚を水かき代わりにして水面を泳ぎます。

アメンボが浮く原理は1円玉が水に浮くのと同じ原理

出典:https://www.face-kyowa.co.jp

水の密度は、約1g/cm3、1円玉の主成分であるアルミニウムの密度は約2.7 g/cm3であり、単純に考えると1円玉は水に浮かないはずですが、1円玉を水平にそ~と水面に置くと、1円玉の重量が加わるため水面はへこみますが、1円玉は浮きます。

アルミニウム自体は水をはじく性質はありませんが、アルミニウムの表面は空気中ではすぐに酸化皮膜を形成し、この酸化皮膜により水をはじくため、1円玉の表面は水にぬれにくくなります。

1円玉は重力に引っ張られて、水の中に潜り込もうとしますが、水は水をはじく物体が内部に侵入してくると、不安定になってしまうので、1円玉を外にはじき出そうとします。
このはじき出そうとする力が表面張力です。

(水面の表面張力+水による浮力)と(1円玉にかかる重力)がつり合っている状態になり、1円玉は水面で浮いていられるわけです。

水は液体の中で、水銀についで表面張力が大きい液体です。

油分を分解する洗剤のような物質が浮いている水場では、表面張力が働かないのでアメンボは溺れてしまって生きられません。

都市部のドブ川ドブ川であまりアメンボを見かけないのは、表面張力が働かなくなる成分が含まれているからだと考えられます。

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アメンボの生態

アメンボはうしろのハネがからだ全体ではなく半分だけをおおう半翅目(はんしもく)のアメンボ科に属する半水生の昆虫で、カメムシの仲間です。

日本には約20種類のアメンボ科の虫が生息していて、生息場所は淡水に限らず、海に生息する種類もいます。 体長は3mm~26mmです。
背中には4枚のハネがあり、脚は6本あります。

水辺で見ることができるのは、春先から秋まで、秋が深まると落ち葉の下などで越冬し、春になると水辺に戻ってきます。

アメンボの産卵期は春から秋までの間の暖かい時期で、水中の石や水草に卵を産みつけ、産卵後約10日でふ化し、脱皮を4~5回繰り返した後にふ化から約1ヶ月で羽化します。
羽化から約2週間程度で交尾可能になり、産卵を行った後に一生を終えます。

アメンボの寿命は短く、普通2~3か月です。ただし8月以降に羽化したものは、越冬して翌年に産卵します。

カメムシと同じく、においを出すだけでなく、鋭い口器をもっているところも同じです。

アメンボは空を飛ぶ

アメンボは水に浮かんでいるだけではありません。

アメンボの背中には4枚のハネがあり、そのハネを使って空を飛ぶことができます。
といってもどうしても移動が必要な場合以外ではアメンボはほとんど飛ぶことはありません。

どうしても移動が必要な場合というのは、食料が豊富な水場を求めての移動のほかに、水が不足している時、繁殖時、冬を超すための場所探しなどの移動が必要な場合です。

アメンボにとって、水面とは非常に安全な場所なのです。もしも水面で魚などに食べられそうになるなど危険な場面に出くわしたら、体から嫌な臭気を発して魚などから自分の身を守ることができます。

飛んでいる時に鳥などの天敵に出会えば、またたく間に食べられてしまうため、アメンボはできるだけ空を飛ばないようにしているのです。

アメンボの名前の由来

アメンボの仲間であるカメムシは、体から特有の臭気を発しますが、アメンボもカメムシの仲間だけあって、やはり体からにおいを発するという特徴を持っています。
アメンボの体の中には,におい液が入っている袋があって,この穴からにおいが出るのです.

しかし、カメムシのような強烈な臭気とは異なり、飴に似たにおいがするところから、飴ん棒 (アメンボ) という和名がつきました。

このにおいは,敵から身を守るためであるとか,仲間との連絡に使われるのではないかとか,いろいろな説があります.

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