イチジクは果物の中でも育てやすく、家庭菜園で育てている方は多いと思います。
イチジクは、クワ科イチジク属の落葉高木で、ザクロ、ぶどうと並び、世界的に最も古い果樹で、世界中で広く栽培されています。
ここでは、イチジクの語源、由来や花がないのに実がなる理由や花言葉などについて記載しています。
イチジクの由来、語源
イチジクの語源は、ペルシャ語の「anjir」といわれています。
ペルシャ語の「anjir」が、ヒンズー語で「injir」になり、中国語で「映日(イェンジェイ)」と音写され、そこに「果(クォ)」が加えられた「映日果(イェンジェイクォ)」が日本に入り、「イチジク」と呼ばれるようになりました。
「イェンジェイクォ」が「イチジク」に変化したのは、単に日本人が聞き取ったのが「イチジク」であったとする説と、イチジクが少しずつ熟していく過程を「一熟(いちじゅく)」の意味として捉えたため、「イチジク」になったとする説があります。
イチジクは花が咲かないのに実がなるの?
イチジクは漢字では無花果と書きます。これは、花を咲かせずに実をつけるように見えることに由来しています。
これは花が無い果物という意味ですが、実際に花が咲かないわけではありません。
イチジクは実の中に小さな花をつけるため、外からは確認できないのです。
イチジクの実を割ってみるとイチジクの特徴である赤いツブツブがでてきます。
このツブツブの1つ1つが実はイチジクの花です。この花が熟すと種子になります。
通常、果物は花が咲いて受粉が行われた後、種子の周囲の部分が肥大化してそこが果肉になりますが、イチジクでは、花びらが付く花軸が肥大化して花かのうと呼ばれる組織ができます。
イチジクの実と呼ばれているのは、花のうのことです。
イチジクの花は花のうの中でひっそり咲いていて、目立つ必要がないため花びらはありません。
ある人が数えたところによると、花のうの中にイチジクの花は約2000個あるそうです。
イチジクの花言葉
今まで記載してきたように、イチジクの花は外側から見ることができませんが、花はあり、花言葉があります。
イチジクは一つの木に多くの実をつけることから、「子宝に恵まれる」、「多産」という子孫繁栄を意味する花言葉があります。
また、「裕福」、「実りある恋」はイチジクの実がたくさんなっている様子からつけられたとも言われています。
イチジクの花言葉には怖い意味がある?
イチジクの花言葉には怖い意味があるということを聞いたことはありませんか?
これは事実無根であり、イチジクの花言葉は先に記載したように、どれもポジティブな意味のものがついています。
旧約聖書にはアダムとイブが禁断の果実を食べて楽園を追われるという話が記載されていますが、この禁断の果実は、リンゴではなくイチジクだったのではないかという説があります。
禁断の果実といえば、アダムとイブが知恵をつけられ、その結果、楽園を追われる原因になった果実です。
このような説から、イチジクには怖いというネガティブな花言葉がついているのではないかと考えられます。
以上、イチジクの語源、由来や花がないのに実がなる理由や花言葉などについて記載しました。