イモリとヤモリは名前も見た目も似ているのでよく間違えられます。
本記事では、イモリとヤモリの違いや見分け方について記載しています。
イモリとヤモリの違い
イモリは両生類ヤモリは爬虫類
イモリはカエル、サンショウウオなどと同じ仲間の両生類、ヤモリはカメ、ヘビ、トカゲなどと同じ仲間の爬虫類です。
イモリは水中生活、ヤモリは陸上生活
両生類と爬虫類の大きな違いは水にあります。
水の中でのみしか生きることができない魚類から、約4億年前に脊椎動物では最初に進化して上陸したのが両生類です。
さらに進化して水から離れて生きることができるようになったのが爬虫類です。
両生類は水の近くの陸から上がっただけですが、爬虫類は水から離れて生きることができます。
イモリとヤモリの大きな違いは、イモリが水から離れて生きることができないのに対して、ヤモリは水から離れて生きることができます。
イモリは水中生活するのに対して、ヤモリは陸上生活します。
イモリは肺呼吸と皮膚呼吸、ヤモリは肺呼吸
両生類であるイモリは、卵から返ったばかりの幼生期にはカエルと同じように、オタマジャクシになり、エラで呼吸します。
オタマジャクシは成長するにつれて足が出て、成体になると肺で呼吸するようになるので、時々水面から顔を出しガス交換を行います。
しかし、イモリの肺機能は十分でないため、皮膚呼吸も同時に行っています。
一方、ヤモリは卵からかえると、すでに成体と同じヤモリの姿をしていて、肺呼吸をします。
イモリとヤモリの見分け方
体の色、体長
イモリとヤモリは体の色から容易に見分けることができます。
イモリは背面が黒褐色で腹面が目立つ赤と黒のまだら模様をしているので「アカハラ」と呼ばれているのに対し、ヤモリは全身が灰色のため目立ちません。
イモリの体長は約8~13cmに対して、ヤモリの体長は少し大きく10~14cmくらいです。
体の表面
イモリは皮膚呼吸をしていますが、そのためには皮膚は常に湿っていなければなりません。
イモリを乾燥した場所に長時間放置すると、体の表面が乾燥して皮膚呼吸ができなくなり、体内から水が蒸発して死んでしまいます。
イモリの皮膚に鱗はありません。
一方、ヤモリの皮膚はイモリと異なり、乾いた鱗におおわれていて、体内からの水分の蒸発を防いでいます。
瞼
目のあたりをよく見ると、イモリは瞼がありますが、ヤモリは瞼がありません。
前足の指や爪
前足の指の数は、イモリは4本ですが、ヤモリは5本です。
また、イモリは爪がありませんが、ヤモリには爪があります。
歩き方
イモリは腹を浮かせて歩くことができません。移動時も腹部を地面につけているためゆっくりとしか歩けません。
一方、ヤモリは陸上生活に適応し、胴体を地面から浮かせてより速く歩くことができます。
イモリの特徴
イモリは漢字では井守
イモリは漢字で井守と表記します。
井というのは湧き水が出る泉や地下水をためた水くみ場のことです。特に井戸を指す場合もあります。
池や井戸など水のあるところを守るように棲んでいることから、井守と呼ばれるようになったと考えられています。
イモリの再生能力
イモリの例えば足を切り落としたとすると、切り口からは血が出ますが、そのうちに傷口が白く盛り上がり、切り落としたはずの足がもと通り再生されてしまいます。
イモリの毒
イモリには毒があります。
イモリの毒は微量ですが、その成分はフグと同じ猛毒のテトロドトキシンです。
イモリが毒々しい赤い色で目立たせているのは、毒があるから食べないようにと天敵に警告しているのです。
イモリの黒焼き
昔からイモリの黒焼きは、ほれ薬として有名です。
その効果のほどは定かではありませんが、イモリのオスがメスに盛んに求愛行動をするので、そのことがほれ薬を連想させたのではないかとされています。
ヤモリの特徴
ヤモリは漢字で家守
ヤモリは乾燥した場所に生息し、家の近くで見られるため家守と名づけられました。
ヤモリの出る家は縁起がいい
ヤモリは肉食の生きもので、家にいるゴキブリやハエ、シロアリなどの害虫を食べて
家を守るという意味から縁起がよいとされています。
ヤモリの中でも特に、白いヤモリを見ると金運がアップするといわれています。
ヤモリの足の秘密
ヤモリは垂直な壁や天井を日在に歩き回ることができます。
カエルのような吸盤や、カタツムリのような粘液があるわけではありませんが、どのようなところでも落ちずに歩くことができます。
その秘密は、原子や分子の間で働くファンデルワールス力という引力にあります。
このヤモリの足の仕組みを利用した接着テープなどの製品も開発されています。
ヤモリの毒
ほとんどのヤモリは毒を持っていません。
ヤモリの種類の中で毒を持っているのは世界でメキシコドクトカゲ、アメリカドクトカゲのみです。
日本で生息するヤモリは毒をもっていません。
まとめ
イモリとヤモリの違いや見分け方を以下にまとめました。