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シマトネリコはモクセイ科の植物で、元々亜熱帯地方に分布していて、日本では沖縄地方に分布していました。
昔は、寒い関東では屋外に植えると枯れるとされていましたが、地球の温暖化により冬が暖かくなり、関東、中部以西では寒さの害を受けにくくなり、住宅、公園、街路などに植えられるようになりました。
シマトネリコは常緑で葉は羽状複葉、オシャレな緑が年中楽しめると、住宅デザイナーに人気を集めています。
しかし、シマトネリコを家の庭に植えると問題になることがあり、庭に植えてはいけない植物といわれるようになってきました。
ここでは、シマトネリコが植えてはいけない理由と、植える時に気をつけなければならない注意点をご紹介します。
シマトネリコを植えてはいけない理由
成長が早くかなり大きくなる
シマトネリコを植えてはいけない理由の中でも最も多いのが、成長速度が早いことです。
シマトネリコは庭木に使われる植物の中でも、1、2位を争うほど成長が早いことで知られており、気温、日照条件などにもよりますが、大体1年で40~50cmくらい伸びます。
手入れをしないで10年以上放置していると、家の2階の屋根を超え、10~15mの高さにもなります。
適度の高さを保つためには、まめに剪定する必要があります。
庭に地植えする際には、植える場所を慎重に選ばなくてはいけません。
常緑樹なのに落葉する
シマトネリコは常緑樹ということになっていますが、元々亜熱帯地方に分布していたこともあり、寒い地域では冬になると落葉することがあります。
冬は落ち葉の掃除が大変になることもあり、常緑樹だと思って安易に植えてしまうと、後で後悔することになるかもしれません。
花が咲いた後飛び散る
シマトネリコは5~7月頃になると白い花がたくさん咲きます。
シマトネリコは、花が咲いた後、それが地面に落ちてゴミになります。
風にのって飛び散るということで、ご近所の家の迷惑にもなります。
次第に大きく成長してくると、花の量も増え、より高いところに花が咲くので広範囲に花が飛び散ることになります。
シマトネリコの花はとてもきれいですが、枯れた後に飛び散るため、他の家に迷惑がかかり、毎年掃除をするのも面倒です。
種が飛び散る
シマトネリコは雌雄異株で、雌株だけが花を咲かせた後、種を付けます。
シマトネリコの種は、羽状なので風にのってかなり散らばります。
この種は、生命力があり、溝のすき間などの土のあるところに飛ばされることによって、シマトネリコが発芽してしまうことがあります。
発芽してしまうと引き抜くのが大変で、溝の隙間などに入ってしまうと、抜くのに苦労することになります。
カブトムシやハチが集まる
シマトネリコは樹液を分泌し、この樹液につられてカブトムシやハチが集まってきます。
特に、シマトネリコの樹液はカブトムシが非常に好むことでよく知られています。
樹皮を傷つけ、樹液をなめるカブトムシが害虫として扱われることもあります。
見たくもない虫をわざわざ呼び寄せることで、シマトネリコを植えて後悔した方は多いようです。
根が強く張る
シマトネリコは成長が早く、木の高さだけでなく、根の成長も早く、根を張る力が強いということも忘れてはいけません。
家のすぐ傍にシマトネリコを植えてしまうと、建物の基礎部分にまで根を張り、場合によっては、家が傾いてしまう危険性もあります。
また、隣の家の住宅の近くに植えてしまうと、ご近所とのトラブルに発展してしまう可能性もあります。
このため、自宅や隣の住宅の近くには、シマトネリコを植えないように気をつける必要があります。
また、ガス管、水道管などの配管の近くにシマトネリコを植えてしまうと、根が配管を突き破って配管を壊してしまう恐れもあります。
シマトネリコは大きくなりすぎるため、根を張らせすぎて水道管を破裂させる可能性があります。水道管が無い場所に植える必要があります。
独自性がない
シマトネリコは2010年代にブームになった定番の庭木で、住宅デザイナーに人気があり、新築の一戸建ての庭や新築マンションにはほぼ必ず植わっているイメージがあり、2020年代になっても、まだ新築の一戸建てやマンションに植わっていることが多いです。
他の家にはないような個性を出したい人にとっては、シマトネリコはあまりにも定番すぎる木なので、植えない方がよい樹木です。
シマトネリコを植えるときに注意すること
先に記したようにシマトネリコを植えるには、多くの問題がありますが、まめに剪定して
あまり大きくならないように管理すれば、これらの問題の多くは解消されます。
そして、家のすぐ傍や配管があるところは避けて植えるようにしましょう。
いっそのこと、地植えはやめて、鉢植えで育てるという方法もあります。
以上、シマトネリコが植えてはいけない理由と、植える時に気をつけなければならない注意点をご紹介しました。