タマネギを包丁で切るとき、困るのが目が痛くなって涙が出てしまうことです。
ここでは、目が痛くなるタマネギの成分や目が痛くならない方法について記載しています。
目が痛くなるタマネギの成分
タマネギ細胞の中にはアリインというイオウ化合物とアリイナーゼという酵素がありますが細胞内で離れたところにあります。
タマネギを包丁で切ると細胞が壊れ、離れていたアリインとアリイナーゼが混ざり合って揮発性のある催涙物質アリシンに変化します。
アリシンは硫化アリルの一種で、この物質が目や鼻の奥に入って粘膜を刺激すると、涙を出して洗い流せという司令が脳から出ます。
揮発性の催涙物質が出るのは、タマネギが病原菌や害虫に襲われたときに、刺激物質を瞬時に作って病原菌や虫を撃退しようとする自己防衛機能なのです。
刺激物質をもともと持っていると、タマネギ自身にも悪影響を及ぼすため、普段は無毒な原料物質を持っていて、病原菌や害虫によって細胞が破壊されたときに、刺激物質を瞬時に作りだす仕組みになっているのです。
そのため、細胞を壊さなければ刺激物質は作られません。
目が痛くならない方法
冷蔵庫で冷やす
タマネギを冷蔵庫に1時間ほど入れて冷やしてからタマネギを切ると、低い温度で硫化アリルの気化が抑制されるので涙が出にくくなります。
また、包丁を冷やしても硫化アリルの気化を抑制する効果があります。
電子レンジで温める
硫化アリルは熱に弱く、熱を加えると分解して、揮発性を抑えることができます。
タマネギにラップをかけて約20秒電子レンジで温めれば十分です。
水に浸しながら切る
硫化アリルは水溶性のため、水に浸せば溶け出します。
タマネギを水に浸しながら切れば、硫化アリルの気化を抑えることができます。
但し、硫化アリルはタマネギの重要な成分です。栄養を十分とりたいときには、長時間水に浸しすぎないようにしましょう。
扇風機を使う
タマネギと顔の間に扇風機などで風の流れを作り、目や鼻に気化した硫化アリルが届く前に風で吹き飛ばすことにより、目や鼻の粘膜が刺激されるのを防ぐことができます。
切れ味のよい包丁を使う
切れない包丁で切ると、タマネギの細胞がズタズタになってしまい、催涙物質がたくさん出てしまいます。
このため、切れ味のよい包丁を使用して、できるだけ細胞の損傷を少なくして、催涙物質が発生するのを抑えます。
切り方を縦切りにする
タマネギを縦切りにする場合と、横切りにする場合とでは、縦切りにする方が涙が出にくくなります。
植物は細胞を縦に積み上げたような構造になっていて、細胞を縦に並べることで、横からの力に対して折れにくくしています。
タマネギの細胞も縦に並んでいて、縦切りにした場合は、縦に並んだ細胞と細胞とが離れるだけなので細胞はあまり壊れないので、涙はでにくいです。
しかし、横切りにした場合は、細胞が切られて壊れてしまい、催涙物質がたくさん出るので、涙は出やすくなります。
横切りにすれば細胞が壊れるので口当たりが柔らかくなります。
タマネギをサラダにするときには、横切りにするほうがいいです。
縦切りにした場合には、細胞が壊れずに、噛んだときに細胞が壊れて味が染み出るので、炒め物にむいています。
涙の出ないタマネギを使用する
生でそのまま丸かじりしても辛みがなく、包丁で切っても目に痛みを感じないタマネギがスマイルボールという名でハウス食品から販売されています。
スマイルボールは毎年秋から冬にかけて販売されているようです。
ゴーグルをかける
タマネギを切ると出てくる硫化アリルは、目だけでなく鼻の粘膜も刺激します。
ゴーグルをかけただけでは、鼻の粘膜が刺激されて涙を防ぐには不十分です。
ガムを噛みながら、または割り箸をくわえる
人間の体は口の中が乾燥しないよう唾液を出すことを優先するため、ガムを噛みながら、または、割り箸をくわえて唾液が分泌されると、硫化アリルにより目や鼻の奥の粘膜が刺激されても涙が出ないという仕組みです。
但し、刺激の痛みは防ぐことはできません。
以上、玉ねぎを切る時、目が痛くなって涙が止まらないなどの悩みを解決する方法をいくつかご紹介しました。
ぜひお試しください。