パンダのレンタル料は高い!レンタルする効果は? 

パンダと言えば、竹を食べているジャイアントパンダの微笑ましい姿を思い浮かべるのではないでしょうか。

ここでは、パンダがかつての日中外交に一役買ってきたことや、昨今のパンダのレンタル事情について記載しています。

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パンダ外交

パンダが初めて日本にやってきたのは1972年です。

この時、日本と中国との国交が正常化され、これを記念して中国から贈られたのが、カンカンとランランの2頭のパンダでした。

中国にとって、パンダは外交の大きな切り札になりました。

中国が初めてパンダ外交をしたのが、1941年の日中戦争の時です。中国は米国を味方につけるために、パンダをおくりました。

第二次世界大戦後1983年までに、20頭以上が中国政府によって海外の国に贈呈されました。

これらの目的は、中国が相手国に対して友好的な姿勢を示し、中国のイメージアップを狙ったといわれています。

パンダはなぜ贈り物からレンタルに変わったの?

1981年に中国はワシントン条約に加盟しました。

パンダは、繁殖力が強くなく、中国の生息している四川省、甘粛省、陝西省の山岳地域でのパンダの推定数は約2000頭と非常に少なく、絶滅危惧種のレッドリストに入っていました。

レッドリストは、絶滅の危機に瀕している野生生物の種の一覧のことです。

ワシントン条約は、野生生物が国際取引によって過度に利用されるのを防ぐため、 国際協力によって種を保護するための条約です。

ワシントン条約では、絶滅危惧種のレッドリストに入っている生物の取引に規制をかけています。

このため、中国のワシントン条約への加盟により、たとえ親善のためであっても、パンダを海外へ無償での譲渡することができなくなりました。

そこで考え出されたのが、レンタル(貸し出し)という方法です。

中国から日本など海外におくられるパンダは中国籍のまま貸し出される形になりました。これがパンダレンタルです。

中国は政治の手段としてだけでなく、経済的な目的からもパンダのレンタルを積極的に行うようになりました。レンタルは、中国にとって、よいビジネスになるからです。

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パンダのレンタル料は高い レンタル期間は?

パンダは、現在中国にしか生息していない動物で、このパンダという珍しく、愛らしい動物にきてほしいという国は、非常に多くあります。

一方、パンダの数は限られていて、需要と供給の関係でパンダのレンタル料がつり上がりました。

中国に支払うパンダのレンタル料はパンダ1頭あたり年間約5000万円と非常に高額です。

実際に、上野動物園のリーリーとシンシンの場合、そのレンタル料は、1年間で95万ドル(約1億円)です。

レンタルの契約期間は10年間なので、東京都は10年間で合計約10億円を中国に支払うことになります。東京都は、このお金を「野生動物保護事業への支援」という名目としています。

レンタルしたパンダが死亡した場合、借りた方は自然死であると証明できなければ、約5000万円の賠償金を中国に支払わなければなりません。

レンタルされたパンダの間に子供が生まれた場合には、新たにレンタル料は発生しないものの、生後2年で中国に返還しなければならないことになっています。

パンダの子供が生まれると、近親交配を避けるために、その子供のパンダは繁殖目的で中国に送る約束がなされています。

2011年にきた上野動物園のリーリーとシンシンは、今のままでは2021年に中国に返還され、また、2017年6月に生まれたシャンシャンは2019年6月に返還されることになります。

パンダをレンタルする効果

現在、日本でパンダがいるのは上野動物園の他に、神戸市の王子動物園、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドの3箇所で、いずれも中国からのレンタルです。

上野動物園

2011年、上野動物園にリーリーとシンシンがやってきた時には、来園者が前年度から一気に、200万人以上も増えました。

2017年6月にシャンシャンが生まれてからは、パンダブームは一層高まっています。

王子動物園

神戸の王子動物園には、2000年に中国から2頭のパンダがおくられてきました。

その後、王子動物園には、神戸、関西に限らず、全国からパンダを一日見ようと大勢の人がやってきました。

アドベンチャーワールド

和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドは、複合型アミューズメント施設で、動物園のほか水族館、遊園地があります。

この施設では、中国の「成都大熊猫繁育研究基地」の日本支部として、日中共同でパンダの自然繁殖の研究が行われています。

ここは、1994年からスタートし、現在5頭のパンダが飼育されています。

上野動物園のように話題になりませんが、現在までに、ここで15頭のパンダが誕生しています。

この施設がある白浜町はパンダが町おこしに大きく役立っているそうです。

客寄せパンダという言葉があるように、パンダがいると、集客に大きく貢献し、経済的効果が大きいようです。

まとめ

パンダは以前、外交の手段として一役買っていました。

1981年に中国のワシントン条約への加盟により、パンダはレンタルで貸し出されるようになりました。

パンダのレンタル料は高額ですが、それに見合うだけの経済的効果があるようです。

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