パンダはなぜ竹や笹を食べるの?栄養は足りているの?

出典:http://informationnow.xyz

パンダという名は、ジャイアントパンダとレッサーパンダを総称していう呼び方です。

レッサーパンダとジヤイアントパンダの両方がパンダとよばれたのは、昔、これらが類縁関係にあると考えられていたからです。

その後の遺伝子などの研究により、現在では両者には類縁関係はなく、ジャイアントパンダはクマ科、レッサーパンダはレッサーパンダ科に分類されています。

ここでは、ジャイアントパンダがクマ科でありながら、なぜ竹や笹を食べているのかを記載しています。

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竹は硬いのになぜ噛めるの?

パンダの歯はとても丈夫です。

パンダは強いあごと歯をもっているため、竹をバリバリと噛んで食べることができます。

パンダの歯は人間と同じように乳歯から永久歯に生え替わります。

パンダの歯はクマなど他の肉食動物の歯と大変似通っていて、奥歯は、人間の奥歯の約7倍の大きさがあり、大きく平らな臼歯によって、竹をかみ砕いて食べることができるのです。

竹のつかみ方

動物の中で、物をつかむことができるのは、人間を除いて、通常、猿の仲間だけです。

クマは5本の指がすべて横一直線に並んでいて、人間のように親指とそれ以外の指を向かい合わせることができないため、物をつかむという動作ができません。

パンダは、5本の指以外に、親指の根っこと小指の外側に骨の突起があります。

これらの突起と5本の指で竹をつかむことができます。

パンダはなぜ竹を食べるようになったの?

パンダはクマ科の動物で、クマは肉食動物です。

一般的に、草食動物は、繊維質の消化を助けるため比較的長い腸を持つ傾向がありますが、パンダの消化器官は肉食動物のように短く、遺伝子解析からもパンダが元々肉食動物であったことが分かっています。

人間が増加するにつれて、パンダの生息地帯が狭められ、ほとんどの地域から姿を消し、四川省などの山奥へ押しやられ、そこで、元から棲んでいたクマなどの肉食動物との競争を避けるために、竹を食べるようになったと考えられています。

なぜ竹かというと、パンダの生息地には多くの竹が生育していて、竹は冬になっても枯れることがないからです。

パンダの遺伝子解析から、パンダの舌には、タンパク質を構成する主要なアミノ酸の一つであるグルタミン酸のうまみを感じ取るレセプター(受容体)がないことが分かっています。

このため、パンダは肉を食べても旨いと感じません。そのことで、竹や笹を食べ続けることができるのです。

竹、笹だけ食べて生きていられるの?

パンダが食べる餌の99%は竹や笹です。

パンダには竹、笹などに含まれるセルロースを分解する酵素の遺伝子を持っていないことが分かっています。

それでは、パンダが竹や笹だけを食べて、なぜ生きられるのかというと、それはパンダの腸内細菌がセルロースを分解し、タンパク源やエネルギーを生成しているからです。

パンダの糞に含まれる遺伝子解析を行った結果、パンダの消化管内には、草食動物にいるセルロースを分解する腸内細菌やパンダ特有の腸内細菌がいることが明らかになっています。

これらの腸内細菌の助けを借りて、セルロースを他の栄養素やエネルギー源に変え、パンダは生きていられることが分かっています。

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パンダの栄養摂取の効率は悪い

シカなどの草食動物では、摂取した量の約80%が栄養分として吸収されるのに対して、パンダは、その肉食動物の消化管のために、摂取した量の約17%しか栄養分して吸収されません。

おとなのパンダの大きな体で消費されるカロリーは1日に約4000kcal強になると計算されています。このエネルギーを摂取するためには、1日に12~ 16kgもの竹を食べなければなりません。

このため、バンダは、むだなエネルギーを使うわけにはいかず、行動もゆっくりしていると考えられます。

起きている時は、ひたすら竹をむさぼるように食べ、それ以外の時間の大半は寝ているのです。

竹以外に何を食べるの?

食べ物の99 %は竹や笹ですが、これ以外にタケノコ、アヤメ、クロッカスなどの植物やネズミ、ウサギなどの小型哺乳類、魚類なども食べます。

日本のパンダのいる3つの動物園では、竹のほかにリンゴ、ニンジン、柿、ニンジン、ビスケット、ミルク、トウモロコシ粉、大豆粉、ミルクなどが与えられているようです。

パンダは冬眠しないの?

クマは冬眠しますが、パンダは冬眠しません。

パンダが主食にしている竹、笹は、冬でも枯れずに食べることができるので、冬眠する必要がありません。逆に、竹、笹は栄養価が低いので、どんなに食いだめしたとしても、冬眠するだけのカロリーを得ることはできないからでもあります。

まとめ

パンダは元々肉食動物でしたが、人間の増加に伴い、四川省などの山奥へ押いやられました。

元から棲んでいたクマなどの肉食動物との競争を避けるために、竹を食べるようになったと考えられています。

なぜ竹かというと、パンダの生息地には多くの竹が生育していて、竹は冬になっても枯れることがないからです。

パンダにはセルロースを他の栄養素やエネルギーに変える腸内細菌をもっているため、竹や笹だけ食べていても、生きていけます。

しかし、パンダの栄養摂取の効率は悪いため、必要なエネルギーを摂取するには大量の竹を食べなければなりません。

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