ラムネにビー玉がなぜ入っているの?取り方は?

ラムネは炭酸ガスを溶かした水に、レモンなど柑橘系の香料や甘味料を加えたもので、長年飲み親しまれてきた炭酸飲料です。

ラムネというと、あの独特の形状の瓶にビー玉が入っているのが特徴です。

ラムネの瓶には、ビー玉がなぜ入っているのでしょう。どのような意味があるのでしょうか?

また、どのようにして瓶にビー玉を入れるのでしょうか?飲んだ後は、廃棄するのに分別する必要がありますが、ビー玉は取れるのでしょうか?

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ラムネの瓶には、なぜビー玉が入っているの?

ラムネは炭酸飲料の一種です。

日本に、炭酸飲料が入ってきたのは、1853年(嘉永6年)で、ペリー提督が率いる黒船が浦賀に来航し、この時、炭酸入りのレモネード(lemonade)が江戸幕府の役人に振舞われたことにより、日本に炭酸飲料が伝わりました。

そして、このレモネードが、なまって伝わったのがラムネといわれています。

ラムネの瓶に、ビー玉が入っている理由を知るには、炭酸飲料の栓の歴史を知る必要があります。

炭酸飲料の栓の歴史

コルク栓

ラムネが日本で普及した当初は、容器は瓶しかなく、コルクで栓をするタイプのものでした。

コルクが乾燥すると、抜けやすくなるので、コルクを常に湿った状態にしておく必要から、底の尖ったキュウリのような形をした瓶に入れられ、寝かせた状態で置かれていました。

炭酸飲料は内部の圧力が高いため、コルクが飛び出さないように針金で、瓶の口に巻きつけられていました。

また、コルクは高価なことや、時間が経過すると炭酸が抜けやすいという欠点もあったことから、ビー玉入りの瓶の発明につながっていきました。

ビー玉栓

1872年にイギリス人のハイラム・コッド氏により、ビー玉で炭酸飲料の栓をする方式が開発され、発明者にちなんで、ラムネ瓶はコッド・ネック・ボトルと呼ばれています。

日本に登場したのは1887年頃のことで、当時日本ではこのタイプの瓶を作る技術がなかったため、はじめのうちはイギリスから輸入されていました。

ビー玉入りの瓶が日本に登場したのは、1888年(明治21年)のことです。

その後、1892年には大阪で徳永硝子の徳永玉吉氏により、国産ビンが作られ始め、ラムネは今のようにビー玉入りの瓶に入れて販売されるようになりました。

王冠栓

1892年に、米国のウイリアム・ペインター氏が王冠栓を発明しました。

王冠栓とは、ビール瓶のような瓶を密封するためのフタのことです。

1908年に、大日本麦酒(現在のアサヒビールとサッポロビールの前身)がビールに王冠栓を日本で初めて採用しました。

王冠栓の設備投資には高額な費用が必要であったことから、中小業者には王冠栓の設備投資が困難だったため、引き続き、ビー玉を使った瓶による炭酸飲料の生産が引き続き行われました。

この頃から、玉入り瓶の炭酸飲料をラムネ、王冠栓のものをサイダーと呼ばれるようになり、現在でもラムネは主に中小業者によって生産されています。

現在でも、「ラムネは瓶の口にビー玉で栓をした炭酸飲料のこと」と規定されています。

これは、1978年(昭和53年)に、その当時の公正取引委員会が、ラムネについて、業界団体に宛てた書面の中で、「ラムネという名称は、玉詰びんに詰められた炭酸飲料について使用されてきたと理解している」に基づいています。

ラムネ瓶の仕組み

ビー玉入りの瓶でラムネを製造する場合、ビー玉の入った空の瓶に、ラムネの原液と炭酸水を入れた後、急激にびんを下向きにすると、炭酸の圧力でビー玉が瓶の口の部分に押し付けられ、瓶が密閉されるという仕組みになっています。

これが瓶にビー玉が入っている意味です。

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ビー玉はどのようにして瓶に入れるの?

現在販売されているラムネの容器は、樹脂か、もしくは、ガラス瓶に飲み口の部分だけ樹脂が装着してあるものです。

これらは、飲み口の部分が外れるような構造になっていて、ビー玉を容器に入れた後、飲み口の部分を取り付けるようになっています。

しかし、昔のラムネの瓶は飲み口の部分もすべてガラスの一体構造になっていました。

このような構造で、ビー玉を瓶に入れるために、瓶の胴部と口部は別々に作られていました。

胴部にビー玉を入れてから、口部を細いガラス棒をバーナーであぶって半田のように溶かしてつないでいました。

これは非常に手間がかかるということで、もう少し短時間で生産できるように、ビー玉が入るくらいの口の広い瓶を作ってビー玉を入れてから、口部に熱を加えて柔らかくして細くしぼるという方法で作られるようになりました。

現在では、ガラスだけでできた瓶は手間暇がかかって採算がとれないので、ほとんど販売されていないようです。

ビー玉の取り方

昔のガラス一体型の瓶のビー玉を取るには、瓶を割るしか方法はありませんでした。

現在販売されているラムネ瓶は、飲んだ後、分別して捨てやすいように、瓶、飲み口の部分、ビー玉を分けて取り出せるようになっています。

飲み口の部分は、ネジ式またはキャップ式タイプになっています。

現在のラムネはほとんどがネジ式タイプで、飲み口の部分を回すことにより、簡単に取り外すことができ、ビー玉も取り出すことができます。

キャップ式タイプは、非常に固く取り付けてあるので手で取ることは難しく、ビールの栓抜きで抜けるかもしれません。もし抜けなかったら無理せずにあきらめましょう。

まとめ

ラムネは炭酸飲料の一種です。

炭酸飲料が海外より日本に伝わってしばらくは、ラムネは、キュウリのような形の瓶に入れて、コルク栓でフタをされて販売されていました。

コルク栓はデメリットが多く、その後、ビー玉で栓をする方式が発明され、ラムネはビー玉入り瓶で生産されるようになりました。

ビー玉の入った空の瓶に、ラムネの材料を入れた後、びんを下向きにすると、炭酸の圧力でビー玉が瓶の口の部分に押し付けられ、瓶が密閉されるのが、ビー玉栓の仕組みです。

その後、王冠栓が発明され、大手業者は、ビー玉栓から王冠栓に切り換えましたが、資本力のない中小業者は、ビー玉栓での生産を続けました。

そして、この頃から、玉入り瓶の炭酸飲料をラムネ、王冠栓のものをサイダーと呼ばれるようになりました。

以上がラムネの瓶にビー玉がなぜ入っているかの答えです。

飲み終わった後、ビー玉を取るには、
飲み口の樹脂の部分がネジ式の場合は、回せば飲み口の樹脂の部分が外れ、ビー玉を取り出すことができます。

飲み口の樹脂の部分がキャップ式の場合には、ビールの栓抜きで外せるかもしれませんが、外れない場合には、無理せずあきらめましょう。

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