二千円札は沖縄サミット開催を記念して2000年7月に発行された紙幣ですが、今では沖縄県以外では、全くといっていいほど見かけなくなってしまいました。
ここでは、二千円札が消えてしまった理由や、沖縄県での流通状況、入手方法などについてご紹介します。
二千円札が消えた理由は?
二千円札は沖縄サミット開催を記念して2000年7月に発行された紙幣です。
二千円札が発行されてしばらくは、もの珍しさも手伝って流通枚数は伸び、2004年の5億1千万枚をピークにして、その後急減し2009年頃からは約1億枚程度で推移し、流通量は全紙幣の1%以下に落ち込んでいます。
そして、2004年以降は二千円札の製造はストップされました。
現在、二千円札がほとんど使われなくなり、消えてしまった理由として以下のことが考えられています。
他の紙幣と似ていて紛らわしい
二千円札は、千円札や五千円札、一万円札と比べて、サイズや色が似通っていて紛らわしく、お釣りを間違ってしまうなどの苦情が多くあり、コンビニや一般の商店では二千円札をお釣りとして出さないという決まりをつくるところもあったようです。
自動販売機やATMで二千円札への対応が遅れた
自動販売機の二千円紙幣への対応が進まなかったことや金融機関のATMでも対応も遅れたことの影響も大きかったようです。
また、一般商店のレジでも、二千円紙幣を収納する場所がなく、二千円札をお釣りとして出すことができなかったようです。
日本人が「2」という数字に馴染みがない
日本の紙幣は、過去に1931年(昭和6年)、1945年(昭和20年)に20円や200円の兌換紙幣が発行されたことはありますが、それ以降、1000円、5000円、10000円といった紙幣しかは発行されておらず、日本人が「2」という数字の紙幣に馴染みがなかったことも二千円札が普及しなかった原因の一つだと指摘する専門家もいます。
そもそもなぜ二千円札は発行されたの?
二千円札は2000年の沖縄サミットを記念して当時の小渕恵三首相の発案で、発行されることになりました。
五千円札に比べて千円札の発行枚数があまりにも多く、各紙幣の発行枚数のアンバランスを是正することにより、紙幣の製造コストを抑え、利便性を高めるには二千円札の発行が望ましいと考えられたようです。
また、当時世界で紙幣を発行していた国の7割以上で「2」の単位の紙幣が発行されていて、各々の国で最多の流通枚数を占めていたことも二千円札が発行された大きな理由となっています。
沖縄で二千円札が広く使用されている理由
今まで、二千円札はほとんど見かけることがなく、消えてしまった話をしましたが、唯一沖縄県だけは二千円札が広く使用されていて、今でも沖縄県での流通枚数は年々増加しているそうです。
金融機関やコンビニでのATMからの出金や両替機での両替も可能となっています。
沖縄では現在でも二千円札が広く使用されているのは、以下のような原因が考えられます。
沖縄県庁や経済界が一丸となって、二千円紙幣の流通促進を後押ししたことや、沖縄県が日本に返還される以前の米国統治時代に、米国の20米ドル紙幣を使い慣れていた歴史があるとの説もあります。
また、二千円札は沖縄サミットの開催を記念して発行されたため、表面には沖縄を代表する首里城の「守礼の門」が描かれていることも影響しているのかもしれません。
二千円札を入手できる方法は?
このように沖縄県以外では、二千円札がほとんど見かけることがない状況で、二千円札を持っておきたいと思う方もいるのではないでしょうか。
銀行や郵便局のATMでは二千円札の入金はできますが、紙幣を引き出す時二千円札が出てくることはありません。
二千円札を入手したいときは、銀行や郵便局の窓口で預金を引き出す時に、二千円札での出金を申請すると、在庫があれば対応してもらえます。
また、店舗内に置かれた一部の両替機でも二千円札に対応していることがあるので、ほしい人は探してみてください。
まとめ
二千円札は現在では、沖縄県以外ではほとんど流通しておらず、消えてしまった理由や入手方法、沖縄県だけ現在も広く流通している理由などをご紹介しました。
2024年度には一万円、五千円、千円の新紙幣が発行されますが、二千円札は需要が少ないことから今後も発行されることはないようです。