タオルなどをかけた吸盤フックが壁から外れて落ちた経験はありませんか?
吸盤が外れる原因は、その吸盤の耐荷重より大きな荷重がかかったためか、あるいは時間が経つにつれて何らかの理由で吸盤内部に空気が入り、吸盤の外から押している圧力との差が少なくなり、吸着力が減少したためです。
ここでは、吸盤の耐荷重より軽いものをぶら下げていて吸盤が外れたときに復活させる方法について記載しています。
吸盤が壁から外れる理由
壁に押し付けて吸盤を取り付けた時、吸盤の外側から大気圧の圧力がかかります。吸盤の内部の空気は外へ押し出されるので真空に近い状態になりますが、僅かながら空気が残ってその空気の圧力で吸盤の内側から外側へ少しの圧力がかかります。
吸盤が壁にくっついているのは、吸盤の外側の大気の圧力が内側から外へかかる圧力と比較して圧倒的に大きいからです。
吸盤を取り付けた後、時間が経過するとフックにかかる荷重により吸盤が変形して吸盤と壁との間に隙間ができてそこから、空気が吸盤内部に入ってきてその空気による圧力が大きくなり外部からの大気による圧力との差がなくなると吸盤が外れてしまいます。
吸盤が取り付けられない場所
模様のあるタイル、模様のあるステンレス、布やビニルなどの壁紙、木壁、塗装合板、しっくい、モルタル、スリガラスなど凹凸、ザラザラ、ツヤ消し面やキズのある面には吸盤は取り付けられません。
吸盤と壁面との間の隙間から吸盤に空気が入り、内側からの圧力が大きくなるため、外側からの圧力との差が小さくなるため、外れやすくなります。
吸盤には耐荷重がある
吸盤には耐荷重があり、耐荷重以上重いものは吊れ下げられません。吸盤の面積が広いほど、耐荷重は大きくなり、重いものをぶら下げることができます。
吸盤が外れたときに吸着力を復活させる方法
吸盤とくっつける壁面を洗う
吸盤とくっつける壁面の間が油脂やほこりなどで汚れていると、吸盤に隙間ができてそこから空気が入って吸着力が減少するので、吸盤と壁面との間はきれいに洗う必要があります。
これは軽症の場合の外れなくする方法です。この方法で外れる場合は、以下の方法を試してみてください。
吸盤を熱湯に入れる
吸盤は、使っていくうちに吸盤の吸着面が次第に変形していき、吸盤の湾曲がなくなってきて、吸盤と壁との間に隙間ができ、そこから空気が入りって吸着力が徐々に減少します。
鍋でお湯を沸かし60℃程度になったら、ガスの火を消しお湯に吸盤を数分間入れます。
伸びていた吸盤の素材が収縮して、湾曲が元の状態に近いところまで戻ります。
吸盤の材質は大部分が塩化ビニル樹脂で耐熱温度60~80℃がそれほど高くないので、火をつけたままで吸盤を入れると、鍋自体の温度が高くなっているので、その熱で吸盤が溶けてしまうおそれがあるので、火を消してから熱湯にいれましょう。
熱湯に入れる方法以外に、ドライヤーや電子レンジに入れて加熱しても湾曲が元の状態に戻るという情報があります。
ハンドクリームを塗る
ハンドクリームを吸盤に塗ると吸盤が外れなくなります。これはテレビの某番組でも紹介された方法です。
吸盤を壁に取り付けた後、長い時間が経過すると吸盤の表面傷やひび割れなどの凸凹により隙間ができてそこから空気が吸盤内部入ってきます。
ハンドクリームを吸盤に塗ることにより、傷やひび割れなどを埋めることにより吸盤の表面を初期状態のように平らに戻すことができます。
ハンドクリームはどんなものでもよろしいです。ハンドクリームの例
ハンドクリームがない場合には歯磨き粉やシャンプーなどを使用しても、同じような効果が得られます。
吸盤用補助板(シール)を使う
吸盤を壁面に付ける際の吸盤用補助板というものがあります。
壁面をきれいに洗って乾燥させた後、吸盤用補助板の粘着力がある方の面を壁面に貼り付け、もう一方の面の青色フィルムを剥がし吸盤を取付けます。
取り付け位置を途中で変えたい場合には、壁面からゆっくり剥がし、別の位置に取り付けることができます。
粘着面にゴミが付いてしまっても、水洗いすると粘着力が復活し、繰り返し使用することができます。
吸盤専用接着剤を塗る
吸盤専用接着剤というのもあります。吸盤の裏側に接着剤をつけるだけです。
この接着剤はペースト状なので、凹凸面や湾曲した箇所などにも取り付けることができます。
吸盤からはみ出た部分は固まった後に簡単にきれいにはがせます。
まとめ
吸盤フックが壁にくっつくのは、吸盤の外側からの大気圧による圧力が吸盤の内側から外へ押す圧力より圧倒的に大きいからです。
凹凸、ザラザラ、ツヤ消し面やキズのある面には吸盤は取り付けられません。吸盤と壁面の間の隙間から吸盤内部に空気が入り、内側からの圧力が大きくなるため、外側からの圧力との差が小さくなるため、外れやすくなります。
吸盤を外れなくする方法としては以下のようなものがあります。
吸着面のほこり、ゴミをきれいに洗う。
吸盤を熱湯に入れる。
吸盤と壁面との間にハンドクリームを塗る
吸盤専用保護板を使用する
吸盤専用接着剤を塗る