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炭といえば、バーベキューのなどで使用する、カシ、ナラなどの木材を原料とする木炭が一般的ですが、木炭以外に、真竹や孟宗竹などの竹を原料とする竹炭というものがあります。
竹炭は燃料用としては、あまり適していませんが、水質の浄化、消臭、除湿などの効果については木炭より優れていて、ここでは竹炭の水の浄化作用についてご紹介します。
炭とは?
木炭、竹炭などの炭は木材や竹を空気の少ない状態で燃やして、一酸化炭素、二酸化炭素、水素などのガスを揮発させ、残った材質が炭化して固まったものです。
炭には多くの小さな孔があいています。この無数の小さな孔が空いていることにより、炭は1g当たり数百平方メートルという非常に大きな表面積を持ち、燃やした時の発熱量は数百kcalに達します。
竹炭の特徴
炭は上に記載したように、多くの小さな孔が空いていますが、その中でも竹炭の孔はハチの巣状になっていて、1千万分の1ミリメートルから1千分の1ミリメートルまで、様々な径の孔が分布していて、木炭以上に微細な孔が多いのが特徴です。
このため、1gの木炭の表面積は約300平方メートルなのに対して、竹炭の表面積は約700平方メートルにも達しています。
また、燃やした時の発熱量は木炭が4000kcalに対して、竹炭は7000kcalにも達します。
木炭は燃やすと長い間、強い火力で燃え続けますが、竹炭は発熱量が大きいですが、木炭に比べて火がつきにくく、途中で立ち消えしやすいので、燃料用としてはあまり適していません。
しかし、竹炭は水の浄化、消臭、除湿などの用途では、木炭より優れています。
竹炭の表面積は木炭のそれより大きいため、臭いや湿気を吸着、水質改善する効果が木炭より優れているのです。
竹炭の水の浄化作用と用途
竹炭は水を浄化する作用が大変優れています。
竹炭に空いている多くの小さい孔のため、表面積が大きく、吸着性が優れていて、有害性のある物質を吸着し、分解、浄化する働きがあります。
また、竹炭はアルカリ性のため、水をアルカリ性にし、ミネラルは木炭の2~3倍も多く含まれています。
飲料水
水を入れたポットなどの容器に、竹炭を水1ℓに対して、竹炭約20gを入れ、一昼夜置いておくと、カルキ臭のもとである塩素やトリハロメタンが分解されます。
竹炭はカリウム、カルシウム、リン、ナトリウム、鉄、マンガン、マグネシウムなどのミネラルを多く含んでいて、水に溶けやすいので、竹炭を入れた飲料水はミネラル豊富な水となります。
この水は、そのまま飲んでもOKですし、コーヒーやお茶に使用すると、まろやかな味になります。
使用する前は、竹炭を水でよく洗って、煮沸消毒してください。
竹炭は1週間に1回ポットから取り出し、よく水洗いした後、天日で干します。
竹炭は天日干しなどの外部エネルギーが加わると吸着していたものを放出する特性があります。
約2ヶ月使用したら新しい竹炭と交換してください。
炊飯
炊き始める30分くらい前に、よく水洗いした竹炭をお米の上に置いてください。
米5合につき、竹炭約20gの竹炭を入れます。
炊飯中には加熱された竹炭から放射される遠赤外線の効果により、米粒の芯まで熱が均一に通り、また、竹炭から溶け出したミネラルの相互作用により、ご飯はふっくらとおいしく炊き上がります。
竹炭そのものは水に溶けないので、ご飯が黒くなることはありません。
炊飯器は電気炊飯器でもガス吹飯器のどちらでもOKです。
炊きあがった後も、竹炭を入れたまま保存しておくと、時間が経過しても色が黄ばんだり、味が落ちることはありません。
竹炭は炊きあがったご飯の水分を吸収し、消臭をするとともに、竹炭のアルカリ性により酸化を防ぎます。
天日干しや新しい竹炭との交換は飲料水と同じです。
風呂
家庭用浴槽(200ℓ)では、竹炭約700gを洗濯ネットのような網状の袋に砕いて入れ、沸かす前から湯船に入れておきます。竹炭はよく水洗いしておきます。
風呂に竹炭を入れると、竹炭に含まれるミネラルが溶けだして、体に良い影響をもたらします。
水洗いさえ良くしておけば、風呂の水が汚れることはありません。
体の脂肪酸が洗い流され、炭の吸着作用により、湯の汚れを浄化してくれます。
竹炭の吸着力が強いので、竹炭が飽和状態になるので、入浴のたびに取り出して煮沸し、洗って日陰で干すようにします。
炭を入れた時は、入浴剤の使用は厳禁です。炭が入浴剤を吸着し、飽和状態になってしまうからです。
炭は3カ月くらいの使用は可能ですが、一週間に一度、天日干しを繰り返して下さい。
竹炭を扱う時の注意
竹炭を飲料、炊飯、入浴用などに使用する場合には、使用前に、有害物質、ゴミ、菌などを吸着している可能性があるため、必ず煮沸消毒をする必要があります。
竹炭を、水道水を流しながらタワシなどで手早く洗います。この時、洗剤を使用すると、洗剤を吸着してしまうので、洗剤は使ってはいけません。
鍋に水を張り、竹炭を入れて火にかけ、沸騰したら10~20分程度煮沸します。
煮沸時間は短すぎると、殺菌効果が少なくなり、長すぎるとミネラル分が流れ出てしまいます。
煮沸消毒が終了したら、風通しがよく、ほこりが立たない日陰で乾燥させます。
余った竹炭は、次に使用するまで、ポリ袋のような通気性のない袋に入れ、日のあたらない場所に保管しておきましょう。
使い終わった竹炭は細かく砕いて、植木等に蒔いて再利用することができます。
最後に
竹炭は木炭ほど一般的ではありませんが、木炭より水の浄化作用は優れています。
ホームセンターや大手通販サイトでも購入できますので、試してみていかがでしょうか。