トレンドピックアップ

気になる話題、旬の情報をお届けします。

教養・雑学

蜜入りリンゴの蜜の正体とは?|美味しいのはなぜ?

出典:http://www.ringodaigaku.comから一部変更

リンゴを包丁で2つに切ると、芯の周辺が黄色く透き通った状態になっていることがあります。この部分は蜜と呼ばれ、蜜入りリンゴは、人気があり好まれています。

本記事ではリンゴの蜜の正体や蜜入りリンゴがなぜ美味しく感じるのか記載しています。

 

スポンサードリンク

リンゴの蜜の正体

リンゴの蜜は注射して入れるの?

リンゴの蜜は人が注射針でリンゴに刺して蜜を注入していると思っている人がいるかもしれません。しかし、これは誤りで、蜜はリンゴの内部で自然に作り出されたものです。

リンゴの蜜の正体

リンゴの蜜の正体はソルビトールという物質です。

植物は、葉で太陽からの光を受けて、水と空気中の二酸化炭素からデンプンなどの炭水化物と酸素を合成する光合成をおこなっています。

葉で作られたデンプンなどの炭水化物は水に溶けないので、水に溶けやすい糖にして、維管束という通路を通って果実、茎、花など植物の体全体に送られます。

葉から移動する糖の種類は植物によって異なり、リンゴではソルビトールという水に溶けやすい糖アルコールの一種に変換されます。

ソルビトールは、口の中に入れると熱を吸収して、さわやかな冷感があるためお菓子などの清涼剤として使用されています。

ソルビトールが果実内の細胞の液胞に入って酵素の働きで、甘みの元になる果糖、ショ糖、ブドウ糖などに変換され、蓄積されます。

しかし、リンゴが熟していくにつれて、リンゴの細胞内でソルビトールの蓄積能力が低下してくると、酵素の働きが弱くなり、維管束を通じて運ばれてきたソルビトールの行き場がなくなり、そのままの状態で果実内に溜まっていきます。

このソルビトールが、浸透圧により周囲の組織から水分を吸収することで、リンゴの芯の周辺部は、黄色く透き通って見えるようになります。

この色が蜂蜜の色に似ているところから、蜜という言葉が使われるようになり、そのイメージから蜜入りリンゴは甘くて美味しいということになったようです。

蜜以外の部分が白くみえるのは、細胞の間に含まれている空気により光が乱反射するためです。

また、蜜の部分が透き通って見えるのは、吸収した水分で満たされているので、光の乱反射がなくなるためです。

リンゴの蜜は完熟のサイン

蜜入りリンゴは、熟度が進んでいるため、糖度は高く、果肉も柔らかくなっているので食べ頃なのです。

言い換えれば、蜜が入っているということは、完熟しているというサインなのです。

蜜入りリンゴが美味しく感じるのはなぜ?

リンゴの蜜は甘いの?

リンゴの蜜のソルビトールの糖度は砂糖の約60%しかなく、周辺の部分の糖度と比較して特に高いということはありません。

それではなぜ蜜入りリンゴが美味しいと感じるのでしょうか?

蜜入りリンゴを美味しいと感じるのは香りのせい

同じ品種の蜜入りリンゴと蜜なしリンゴを比較しても、糖類の量や甘味度には差はありません。

実は蜜入りのリンゴが美味しく感じるのは、香りのせいなのです。

農研機構の研究で、蜜入りリンゴにはエチルエステルというパイナップルやバナナと共通の甘い香り成分を多量に含んでいて、この香りにより蜜入りリンゴが美味しく感じることを発見しました。

蜜なしリンゴ内部の酸素は大気に近い濃度であるのに対し、蜜入りリンゴの蜜の部分では酸素濃度が低下し、エタノール発酵によってエチルエステルが増加すると考えられています。

私たちが美味しく感じるのは、味だけではなく、その香りによっても感じることがわかっています。

スポンサードリンク

蜜が入りやすい品種と入らない品種

リンゴの蜜は、すべての品種に見られる現象ではなく、蜜が入らない品種もあります。

蜜が入りやすい品種

ゴールデン・デリシャス、ふじ、北斗、紅玉、スターキング

蜜が入らない品種

王林、ジョナゴールド、シナノスイート、つがる、陸奥

蜜入りリンゴを見分ける方法

リンゴに蜜が入っているかどうかを外側から見分けるのは、熟練したリンゴ農家の人でも難しいようです。

このため、蜜入りセンサーを使用して、蜜入りリンゴを選別して、出荷しているリンゴ農家があります。

蜜入りセンサー

リンゴの白い部分は、光が乱反射して光が通りにくく、蜜の部分は半透明で光が通るため、この違いをセンサーで感知して数値に置き換えて表示するのが蜜入りセンサーの仕組みです

蜜入りリンゴの簡単な見分け方

先に記載したように蜜が入りやすい品種とそうでない品種があります。

蜜が入りやすい品種で、蜜入りリンゴを切らないで見分けるのは難しいようですが、あえて記載するなら以下のようになります。

・同じ大きさのものでは、重いリンゴの方

・リンゴのお尻のほうが少し透き通ったような黄色みをおびている

・ツルが太くてしっかりしている

蜜入りリンゴの保存性

蜜入りリンゴは完熟しているので長期保存には向きません。

時間が経過すると水分が減少して蜜がなくなってしまうので、1~2週間で食べるのが良いとされています。

リンゴのおいしさを保ち、乾燥を防ぐためには、ビニール袋に入れて密閉し冷蔵庫にいれておきます。

まとめ

リンゴの蜜は人が注射器で蜜を注入したものではなく、リンゴの内部に自然に発生したものです。

リンゴに蜜が入っているのは、完熟したというサインなのです。

リンゴの蜜の正体は、ソルビトールという糖アルコールの一種で、蜜がリンゴの他の部分に比べて、特に甘いということはありません。

蜜入りリンゴには果物などの甘い香り成分を出すエチルエステルという物質を多く含んでいて、私たちは糖度だけではなく、この香りによって蜜入りリンゴを甘く美味しいと感じているのです。

スポンサードリンク

-教養・雑学