赤身魚と白身魚の違いとは? 青魚は?

魚にはマグロ、カツオのように色の赤いもの、ヒラメ、タイのように白身のものがあります。

このような違いはどのようにして起るのでしょうか?

ここでは赤身魚と白身魚の色の違いは何によるのか、また、栄養成分はどのように変わるのか等、青魚も含めて記載しています。

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赤身魚、白身魚にはどのようなものがあるの?

赤身魚と白身魚の区別は、見た目の色の違いから分けられます。

赤身魚は一般的に運動が活発で筋肉が発達していて、海を回遊しています。

マグロ、カツオ、サバ、イワシ、サンマなどの遠洋性回遊魚やアジ、イワシ、サバ、サンマなど青魚と呼ばれる近海回遊魚も赤身です。

これに対して、白身魚は、一般的に沿岸部に生息し、あまり活発に活動しない、ヒラメ、タイ、タラ、カレイ、スズキなどの近海魚です。

赤身魚と白身魚の違い

赤身魚と白身魚の違いは、魚の身に含まれている色素タンパク質の含有量に違いがあります。

赤身の色の正体は、血液中のヘモグロビンと筋肉中のミオグロビンです。

ヘモグロビンは血液色素タンパク質、ミオグロビンは筋肉色素タンパク質で、これらを総称して色素タンパク質といいます。

ヘモグロビンやミオグロビンは鉄分を含んでいて、赤い色というのは実は鉄の色です。

色素を多く含む赤身の筋肉を赤筋、色素が少ない白身の筋肉を白筋と呼んでいます。

魚肉100g中の色素タンパク質が大体10mgを超えると身が赤く見えてきます。

赤身魚では魚肉100g中、色素タンパク質が150mg程度あり、白身魚では色素タンパク質は大体10mg以下です。

ブリは白身に見えますが、色素タンパク質が12~30mgあるので、赤身魚と言えます。この他にカンパチ、ヒラマサ、シマアジ、サワラなども赤身魚です。

サケやマスは見た目からは赤身と思われがちですが、餌として食べたエビやカニに多く含まれるアスタキサンチンと呼ばれるカロテノイド色素が筋肉に溜まったものです。サケやマスには色素タンパク質は少ないので白身魚に分類されます。

マグロやカツオなどの色素タンパク質の多いものは熱を加えられると身が白っぽくなりますが、サケやマスを熱しても、身は赤いピンク色を保ったままです。これはアスタキサンチンが熱に強いからです。

赤筋と白筋

魚の赤筋、白筋の働きは人間の赤筋(遅筋)、白筋(速筋)と基本的に同じです。

赤筋

ヘモグロビンは血液中にあり、酸素を運ぶ役割を担っていて、ミオグロビンの役割は、ヘモグロビンが運んできた酸素を筋肉の中に運ぶことです。

赤筋はミオグロビンの働きにより、血液から酸素を取り入れて脂質を効率よく使ってエネルギーを得ています。酸素が供給されればいつまでも泳ぎ続けることができ、持久力に優れています。

赤身魚の代表であるマグロは魚類の中でも長距離を高速で回遊する魚です。

太平洋、大西洋、インド洋などを横断するだけの持久力を持っていて、このような長距離を泳ぎ続けられるのは赤筋のおかげです。

マグロは泳ぐのをやめると細胞に血液が回らなくなり、死んでしまうので寝ている間も泳ぐのをやめません。

このように、赤身魚は、高速で泳ぎ続け、大量の酸素が必要になります。

その大量の酸素を効率よく利用する体の仕組みがヘモグロビンやミオグロビンの色素タンパク質なのです。

白筋

白筋は酸素を使用しないで筋肉中のグリコーゲンを分解することでエネルギーを得て動きます。

赤筋と比較して持久力に乏しいのですが、瞬間的に大きな力を出すことができ、獲物を採ったり、敵から逃げるのに必要な瞬発力を発揮できます。

白身魚はマグロのように静止しても死ぬようなことはありません。

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栄養素

赤身魚

マグロのトロに代表されるように赤身の魚は良質なタンパク質が豊富で、鉄分、ビタミンA、B群、Dが多く含まれています。

全体として脂肪分が多い傾向にあり、白身の魚に比べて、水分が少なく濃厚で旨味が強いです。また、高速で回遊しているために身が締まっています。

青魚

アジ、サバ、イワシ、サンマなどの近海回遊魚は魚の背中に青みがでていることから青魚と呼ばれますが、赤身魚です。

これらの魚は血液サラサラ効果が期待できるEPA、脳の働きを活性化させるDHAといったオメガ3脂肪酸が豊富に含まれ、また、タウリン、鉄分なども多く含まれています。

アレルギーの原因となるヒスチジンが多く含まれ、鮮度の低下早いです。

白身魚

白身の魚は赤身の魚に比べて脂肪分が少なく、低カロリーで水分が多く、消化がよく、アレルギーの原因となるヒスチジンが少なく、病人食や離乳食にもよく使われます。

淡白な味わいのため、鍋物や焼き物など幅広い料理に使いやすいです。

まとめ

魚には赤身魚と白身魚があります。

赤身魚と白身魚の違いは、魚の身に含まれている色素タンパク質の含有量に違いがあります。

赤身魚と白身魚の区別は、見た目の色の違いから分けられます。

赤身の色の正体は、血液中のヘモグロビンと筋肉中のミオグロビンです。

魚の赤筋、白筋の働きは人間の赤筋(遅筋)、白筋(速筋)と基本的に同じで、赤筋は持久力に優れ、白筋は瞬発力に優れています。

赤身魚は一般的に運動が活発で筋肉が発達しているため、海を回遊しています。

白身魚は近海にいる活動量が比較的少ない魚です。

赤身魚はタンパク質が豊富で、鉄分、ビタミンA、B群、Dが多く含まれ、脂肪分が多い傾向にあり、白身の魚に比べて、水分が少なく濃厚で旨味が強いです。

白身魚は赤身の魚に比べて脂肪分が少なく、低カロリーで水分が多く、消化がよく、アレルギーの原因となるヒスチジンが少なく、病人食や離乳食にもよく使われます。

青魚は赤身魚に含まれ、EPA、DHAといったオメガ3脂肪酸が豊富に含まれます。

アレルギーの原因となるヒスチジンが多く含まれ、鮮度の低下が早いです。

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