ソメイヨシノは全てクローン!その起源は? 寿命は?

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春といえば桜、桜といえば代表的品種はソメイヨシノです。

ソメイヨシノの木は日本全国で数百万本あると言われています。

ソメイヨシノは全てクローン!その起源は? 寿命は?

春といえば桜、桜の代表的品種はソメイヨシノです。

ソメイヨシノの木は日本全国で数百万本あるといわれています。

若木のうちから花がつき、生長が早く、学校、公園、街路など新たに植える桜のほとんどはソメイヨシノです。

ソメイヨシノはある一定の気温条件になると一斉に開花します。これには理由があるのです。

ソメイヨシノは場所が違っても同じ遺伝子を持っているクローンなのです。

ここでは、ソメイヨシノは、なぜクーロンなのか、また、ソメイヨシノの起源、寿命、特徴などを記載しています。

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ソメイヨシノの起源

ソメイヨシノがいつ生まれたか正確な記録はありません。

江戸時代末期、江戸染井村(現在の東京都豊島区駒込)の植木屋がソメイヨシノを桜の名所である奈良県の吉野にちなんで、吉野桜として売り出しました。

後に、吉野の桜とは異なることがわかったため、1900年に本草学者の藤野寄命氏により、染井村の名を取って、染井吉野と名付けられました。

その交配の出来は不明でしたが、1916年米国の植物学者ウィルソン氏によって、ソメイヨシノは大島桜と江戸彼岸の雑種と発表され、後に国立遺伝学研究所の竹中要氏の実験によってこのことが証明されました。

しかし、最近になって、ソメイヨシノには、大島桜と江戸彼岸以外に山桜の遺伝子も含まれることが分かりました。

ソメイヨシノの専門家によると、ソメイヨシノの片方の親は江戸彼岸、そしてもう片方の親はオ大島桜と山桜が交雑したものではないかと推察しています。

大島桜と山桜の交雑種は今も人里でよく見られ、全くの自然から生まれたものではないと考えているからです。

ソメイヨシノは全てクローン

桜は一般に種まきや接ぎ木で殖やすことができますが、ソメイヨシノは自家不和合性といって、別品種の花粉によっては受精しますが、同一品種の花粉によっては受精が行われない性質をもっています。

このため、ソメイヨシノ同士では交配はできず、接ぎ木によってのみ、殖やすことができます。

接ぎ木は、台木と呼ばれる土台となる木の幹に切り込みを入れ、この切れ込みに、育てたい木の幹や枝を挿し込んで育てる栽培方法です。

台木と差し込んだ木の間の傷は修復メカニズムが働いて、ひとつの植物体として再生します。

接ぎ木の上の部分は、元の木と同じ遺伝情報をもっていて、同じ性質をもつため、クローンなのです。

接ぎ木は現在、よく行われている手法ですが、江戸時代には既に行われていたのです。

現在、日本で植えられているソメイヨシノは全て1本の原木から接ぎ木によって全国に広まったものであることが分かっています。

このことは、森林総合研究所が全国からソメイヨシノのサンプルを集めて、それらが全て同一の遺伝子かどうかの検証を行い、クローンだということが確認されています。

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ソメイヨシノの寿命は?

ソメイヨシノはクローンなので短命で寿命は60年程度と言われていますが、小石川植物園や弘前公園には樹齢120~130年を超えるソメイヨシノもあります。

ソメイヨシノは接ぎ木によってしか殖やせないので、寿命はこの時に使用する台木の種類に関係するのではないかと指摘する人がいますが、原因はよく分かっていません。

ソメイヨシノの特徴

一斉に開花し、一斉に散る

咲く時には、同じ地域や場所にあるソメイヨシノの花が一斉に咲きます。

その時の気温によって、開花時期は年ごとに多少ずれますが、咲く時は、同じ地域や場所で育っている株の花が一斉に咲きます。そして、あっという間に一斉に散ってしまいます。

ソメイヨシノは、全ての木が1本の原木から殖やしたクローンなので、全く同じ遺伝子で、同じ性質です。

このため、同一地域では、同じように気温に反応して、花が咲く時は一斉に咲きます。花が咲いてから散るまでの期間も、同じなので、散る時も一斉に散るのです。

花の個数が多い

花が一斉に咲くことに加えて、花が咲く時の花の個数が非常に多いのです。

1本の木に咲いている花の個数が10万個を超えることも珍しくありません。

ソメイヨシノの木は1個の芽から咲く花の個数により、健康状態を知ることができます。

1つの芽から6個の花が咲くと、とても健康な木、4~5個では、健康な木、3個以下なら元気のない木と評価されます。

ソメイヨシノの名所では、通常3~4個の場合が多く見られますが、木の世話が行き届いているソメイヨシノは、4~5個、場合によっては、6個の花を咲かせることもあります

葉より先に花が咲く

桜は品種により、山桜のように葉が出てから花を咲かせるものがあります。

しかし、ソメイヨシノは、葉より先に花が咲きます。

葉がないうちに、花がぱっと咲くと、非常に目立ち、はなやかに見えます。

ソメイヨシノでは、葉は花が咲き終わってから、出てきます。

以上のように、ソメイヨシノの開花は、花が一斉に咲き、花の個数が非常に多く、葉が出る前に、花が先に咲くことにより、 非常にはなやかに見えるのです。

まとめ

ソメイヨシノは、江戸時代末期に、江戸染井村の植木屋により、売り出されました。

そして、1本の原木から接ぎ木によって、日本全国に広まりました。

接ぎ木で殖やされた木は、元の木と同じ遺伝子を持ったクローンの木ができます。このため、日本中のソメイヨシノは全てクローンです。

ソメイヨシノは大島桜と江戸彼岸の交雑種とされてきましたが、その後、大島桜と江戸彼岸以外に山桜の遺伝子も含まれることが分かりました。

ソメイヨシノはクローンなので短命で寿命は60年程度といわれていますが、120~130年を超えるソメイヨシノもあります。

ソメイヨシノは花が一斉に咲き、花の個数が非常に多く、葉が出る前に、先に花が咲くことにより、非常にはなやかに見えるのが特徴です。

以上、ソメイヨシノは、なぜクーロンなのか、また、ソメイヨシノの起源、寿命、特徴などを記載しました。

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