チューリップの開花時期はいつ?時期をずらす方法は?

チューリップは、春に花を咲かせる代表的な植物です。

しかし、花屋の店頭では、クリスマスやお正月の頃からチューリップが出始め、2月の最も寒い時期でも花が咲き誇っています。

ここでは、なぜ、春に咲くチューリップが冬に咲いているのか、開花時間、花の開閉の仕組みなどを記載しています。

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チューリップの開花時期はなぜ春なの?

春に花を咲かせるために、チューリップの球根を前年の秋に、土に植えますが、この時、ツボミはすでに球根の中でできています。

その後、早春に芽を出し、4月に開花します。

咲き終わった後、土の中では新しい球根をつくり始め、7月には新しい球根が完成し、葉は枯れてしまいます。

球根を掘り返さないで、そのまま土の中に埋まった状態でも、秋に花が咲くことはありません。

秋に花が咲いてしまうと、冬の寒さのために、植物は枯れ、種子は作られません。また、球根が大きく成長することができず、球根が増殖することもできません。

チューリップは、子孫を残すために、冬の通過を確認しないと、花を咲かせないという性質をもっています。

球根が8~9℃くらいの低い温度の刺激を3~4ヶ月間受けないと、ツボミが成長しないようになっているのです。

チューリップに限らず、スイセン、ヒヤシンスなどの春に咲く植物は、冬の寒さに出会って、初めてツボミが成長するという、開花までの温度プログラムが、各々の植物により決まっています。

その温度プログラムに従って、冬の寒さの刺激を受けた後、春になって暖かくなると、ツボミが成長して花を咲かせます。

開花時期をずらす方法

上に記載した植物の温度プログラムを利用することにより、チューリップの開花時期をずらせることができます。

例えば、クリスマスやお正月頃に、チューリップの花を咲かせたい場合には、7月頃に球根を掘り上げた後、すぐに、3~4カ月間、冷蔵庫に入れます。

そこで冬の寒さを体感させるのです。そのあと、春のような暖かい環境で育てれば、芽、葉、ツボミが成長を始めます。

これが、チューリップの開花時期を早くさせる促成栽培です。

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開花時間

花は一旦開くと、開いたままのものと、開閉を繰り返すものがあります。

チューリップの花は、朝になると開き、夕方には閉じます。

これは、明るさに反応しているのではなく、気温に反応しているのです。

朝に気温が上がると花が開き、夕方に気温が下がると閉じます。

花の開閉が温度に反応していることは、花が咲いている状態のチューリップの鉢植えを室内にもち込んで、室温を下げると花が閉じ、室温を上げると、閉じた花が開くことから、確かめることができます。

花は開閉を繰り返す毎に大きくなる

チューリップの花は、初めて開いた花より、しおれる頃の花が大きいということをご存知でしょうか。

英国のウッドという人は1953年にチューリップの花の開閉運動の仕組みを知るために、次のような実験をしました。

1枚の花びらを外側と内側の2層に分けて水に浮かべ、水温を7℃から17℃に上げると、花びらの内側は、その温度上昇に敏感に反応して、急速に伸びましたが、外側は、少ししか伸びませんでした。

花びらの内側の伸びが外側の伸びより大きければ、花びらは外側に反りかえり、これで、花は開きます。

結局、気温が上がると、花びらの外側はあまり伸びないのに、内側がよく伸びるということが開花現象となるということです。

逆に、水温を17℃から7℃に下げると、花びらの内側は少ししか伸びませんでしたが、花びらの外側は、大きく伸びました。

花びらの内側がほとんど伸びず、外側がよく伸びると、開いていた花は閉じてしまいます。

結局、温度が下がると、花びらの外側はよく伸びるのに、内側が少ししか伸びないため、開花のときにできた内側と外側の長さの差が消えます。そのため、花びらの外側への反りかえりがなくなり、閉花するということです。

そのため、開閉運動をする花の花びらは、開いたり閉じたりするたびに、大きくなるのです。

初めて開いた花がしおれるまで約10日間も開閉を繰り返すと、花びらは2倍近く大きくなります。

花びらが大きくなれば、目立ちます。しおれる時期が近づいてくるほど、花のサイズが大きくなり、目立つことにより、虫たちに花粉を運んでもらおうとしているのでしょう。

まとめ

チューリップは、春に花を咲かせる代表的な植物で、開花時期は4月です。

チューリップのツボミは、球根が作られた時に、内部にすでにできています。

チューリップは、冬の寒さの刺激を受けて初めて、春になって暖かくなると、ツボミが成長して花を咲かせます。

球根を8~9℃の低い温度で3~4ヶ月間保管して、冬の刺激を与えることにより、開花時期をずらすことができます。

チューリップの花は、朝になると開き、夕方には閉じます。この開閉は明るさではなく、温度に反応して起こっています。

チューリップの花びらは、開閉するたびに大きくなり、初めて開いた花がしおれるまで約10日間の開閉を繰り返すと、花びらは2倍近く大きくなります。

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