電波時計は時刻設定しなくても自動的に正確な時刻を合わせてくれる便利な時計です。
しかし、全く時刻が合わない場合もよくあるようです。
これは、時計そのものの性能というよりも外部からの電波を受信する受信感度に問題があることが多いです。
本記事では、受信感度を上げる方法と標準電波が受信しやすい環境、受信しにくい環境についてご紹介します。
電波時計の受信感度を上げる方法
電池を入れ換える
よくあるのは、時計の電池残量が減少してきていることにより電波の受信感度が低下することがあります。
使用している電池が新品でない場合には、新品の電池に交換することで、受信感度を上げられる可能性があります。
受信しやすい場所に置く
電波時計の受信感度を上げるためには、時刻を合わせるための標準電波が入りやすい環境に置く必要があります。
置く場所は標準電波を遮る障害物がなく、雑音が少ない場所です。
電波を受信しやすい環境は下の標準電波を受信しやすい環境で詳しく記載しています。
受信アプリを使う
電波時計の受信環境が悪い場合には、スマホの電波時計受信アプリ「JJY Simulator」や「JJY Emulator」によって、標準電波を擬似的に発信させて時刻合わせをする方法があります。
スマホのイヤホン（ヘッドホン）のコードを電波時計に巻きつけるか、端末本体のスピーカーを直接電波時計に近づけて、このアプリを起動し、音量を最大にするとJJY標準電波を擬似的に発信します。
この状態で電波時計を受信モードにすると時刻合わせをすることができます。
標準電波が届きにくいような環境の悪い場所でこのアプリを使うと便利です。
iOS系 …JJY Simulator
アンドロイド系…JJYEmulator
電波時計が標準電波を受信しやすい環境、受信しにくい環境とは？
標準電波を受信しやすい環境
・窓際（窓に金属製のブラインドがかかっていたり、ガラスが金網入りの場合は、電波が中に入りにくくなります）
・夜中から早朝
・木造家屋
・周りに高い建物の無い、見晴らしの良い場所
・晴れの日
標準電波を受信しにくい環境
・家庭電化製品、OA機器のそば（テレビ、スピーカー、ＦＡＸ、パソコンなど）
・工事現場、空港のそば、交通量の多いところ
・自動車、電車、飛行機などの乗り物の中
・マンションやビルなどの鉄筋、鉄骨の建物の中、およびその周辺
・高圧線、架線の近く
・金属板の上
・山の裏側など
・大雨とか台風などの悪い天気
電波時計が電波を受信する仕組みとは？
電波時計とは、標準電波を受信して時刻を自動的に修正する時計です。
標準電波は、原子時計によって生成された正確な時刻を送信する電波で、電波時計は、内部のアンテナで標準電波を受信し、その情報をもとに時刻を修正します。
日本にはJJYと呼ばれる標準電波の送信局が福島県のおおたかどや山標準電波送信所と、福岡県と佐賀県との県境に位置する羽金山のはがね山標準電波送信所の2か所ありこの２か所で日本全国をほぼカバーしています。
原子時計は、非常に高い精度で時間を計測するための時計で、原子物理学の特性を利用して、原子や分子の遷移周波数を測定することによって時間を正確に測定し、誤差は1億年に1秒程度とされています。
電波時計は、原子時計によって生成された正確な時刻を参照しているので、非常に精度が高く、自動的に時刻を修正するので、手動で時刻を合わせる必要がありません。
しかし、受信環境が悪い場所で置いておくと、自動的に時刻を修正されないため、その性能を充分発揮することができません。
まとめ
電波時計は正確な時刻を表示してくれるので非常に便利ですが、常に電波を受信しているわけではないため、場合によっては正しく時刻を表示しないことがあります。
正しい時刻を表示しない主な原因としては、電池残量が減ってきている以外では、電波を受信しにくい環境に置いてあるなどが挙げられます。
電波時計の受信感度に問題がある場合には、メーカーや販売店に問い合わせる前に、本記事を参考にして受信環境を整えてみてください。