年を重ねてくるとシワが増えたり、皮膚がたるんだりしてきますが、この原因の一つは糖化という現象にあります。
糖化は、糖がたんぱく質と結合することです。
糖化は食品の調理や製造過程でもできますが、体内で急速に血糖値が上がって処理しきれない糖が生じると、組織をつくっているたんぱく質に糖が結合して起こります。
糖化によりできる物質はAGE(終末糖化産物)といいます。
AGEはAdvanced Glycation End Productsの略です。
AGE(終末糖化産物)は、強い毒性を持ち、年とともに徐々に体内にたまっていき、老化を進める原因物質とされています。
AGEが体内にたまる仕組み
一つ目は、体内でつくられるAGEです。
血液中のブドウ糖が過剰になると、人間の体の細胞や組織を作っているタンパク質に糖が結びつき、体温で熱せられ糖化が起き、AGEが作られます。
体内でできるAGEの量は血糖値×持続時間で表すことができます。
もう一つは食材自体にAGEが含まれており、食べものを摂取することにより体内にAGEが取り込まれます。
AGEを体内にためない8つの方法
一旦体内にたまったAGEは減らすことはできません。老化を早めないためには以下のようにできるだけAGEをためないような生活を心がける必要があります。
血糖値を上げないGI値の低い食品を選ぶ
GI(glycemic index)値とは「血糖値上昇指数」のことで、ブドウ糖を100として、その食品を食べた後の血糖値の上がりやすさを示します。
食べる順番を考える
食物繊維→たんぱく質→炭水化物の順を守ることで、血糖値の急上昇を防ぎます。
食べる順番ダイエットと同じです。
AGEを多く含む食品を食べ過ぎない
たとえば、ベーコンやフランクフルトなどの燻製食品やエキストラバージン・オイルやバター類、パルメザンチーズなどの食材にはAGEが大量に含まれています。
毎日続けて食べたり、一度にたくさん食べ過ぎないようにしましょう。
また、食材ではありませんが、タバコには多くのAGEを含んでいます。
AGEを増やさない調理法
同じ食材でも調理法によりAGE値は変化します。
AGEは生が一番少なく、以下のように右へいくほど増えます。
生→蒸す→煮る→炒める→焼く→揚げる
また、電子レンジによる調理は、AGEの量を増やすことが報告されています。
電子レンジによる長時間の加熱や温め直しはなるべく控えましょう。
紫外線を浴びない
肌の表皮の角質層にあるケラチン繊維は、紫外線によりAGE化が進みます。
四季を問わずUVカットを心がけましょう。
食後に軽い運動をする
血糖値は食べて約1時間後に最も上がることが報告されています。
この1時間をねらって軽い運動をすることで血糖値は大きく下がります。
ストレスをためこまない
ストレスがかかると、さまざまなホルモンが血液中のブドウ糖を増加させるように働きます。その結果血糖値が上昇します。
AGEの産生を抑制する食品を摂取する
甘酒
甘酒に含まれるコウジ酸は、AGEの産生を抑える働きがあり、糖化を防ぐ効果があります。
甘酒には酒粕から作られる甘酒と米麹から作られる甘酒の2種類がありますが、コウジ酸が含まれているのは、このうち米麹から作られる甘酒です。
アーモンド
アーモンドに含まれているアルギニンという成分は、糖が肌のタンパク質と結合するより先に、糖と結びつくことにより、肌のタンパク質が糖化するのを抑制します。
寒天
寒天は腸の中で水分を含んで膨張し、余分な糖が吸収されるのを防止するため、血糖値の急激な上昇を抑える効果があるため、AGEの生成を抑制します。
関連書籍
老けたくないなら「AGE」を減らしなさい カラダが糖化しない賢い生活術 牧田 善二 (著)(ソフトバンク新書)