ゲジゲジという虫をご存知でしょうか?
見た目は同じ節足動物のムカデやヤスデに似ており、見た目が気持ち悪いので、見つけたら追い出されたり、駆除されたりしてしまうことが多くあります。
本記事では、ゲジゲジが人間にとって害がなく、むしろ人に役立つ益虫であることや、よく間違われるムカデやヤスデとの違い、ゲジゲジの生態などについて記載しています。
ゲジゲジはゴキブリを食べる益虫
益虫とは、人間にとって有害な害虫を食べてくれたり、人間が食べられるようなものを作ってくれたりする、人の役に立つ虫のことです。
ゲジゲジは肉食で、ゴキブリ、シロアリ、ダニ、南京虫、クモなど人間に害がある虫を捕食して食べてくれる益虫です。
特に、ゴキブリに対しては天敵として存在し、その長い脚を絡ませて捕え、バクバクと食べてしまいます。
ゲジゲジンの人に対する毒性や害
ゲジゲジは見た目がムカデに似ているので、噛むことがあると思っているかもしれませんが、人間に噛み付いたり刺したりすることはありません。
非常に臆病な性格なので、人間が近づくとすぐに逃げてしまい、人間にとっては無害な生き物です。
ゲジゲジは微弱な毒を持っているといわれていますが、たとえ刺されたとしても、人体に影響が出ることはほとんどありません。
また、ゲジゲジは蚊などのような病原菌を媒介する虫でもありません。
ゲジゲジの種類
ゲジゲジは、ムカデ綱ゲジ目に属する節足動物です。
一般的にゲジゲジと呼ばれていますが、標準和名はゲジです。
日本には、ゲジとオオゲジの2種類のゲジゲジが生息しています。
一般的によく知られているゲジは、20~30mm程度の体長で、全国的に分布しています。
もう一方のオオゲジは、体長が45~60mmあり、四国、九州などの西日本に生息しています。
どちらも脚は15対あり、細長くてその長さは体長の数倍もあります。
ゲジゲジは脚が長くて多くあるため、滑るように移動することができます。
ゲジゲジの寿命
幼虫は4対の脚をもっており、脱皮を繰り返して体の節が増えていき、2年で成虫になります。
冬を越して夏に産卵しその後も生き続け、寿命は5~6年ほどです。
ゲジゲジの生息場所
草むら、落ち葉、石の下など屋外の物陰に生息していますが、餌を求めて家の中に侵入してくることもあります。
家の中では、隙間や隅っこに隠れる習性があり、少しの物音で逃げるという非常に臆病な性格です。
ゲジゲジの特徴
ゲジゲジは夜行性の動物で、動きが俊敏で、ゴキブリの速さにもついていくことができます。
木の上で待ち伏せしたり、低空飛行で飛んできた飛行中の獲物をジャンプして捕獲するほど高い運動能力をもっています。
ゲジゲジは昆虫ではありませんが、昆虫と同じような1対の複眼に似た偽複眼をもっていて、高い視覚性を持っています。
ゲジゲジの天敵
ゲジゲジの天敵は鳥です。
天敵に襲われると、自分で脚を切り離して逃げます。
切り離された脚はしばらくの間、動くので天敵がそれに気を取られている間に逃げてしまいます。
脚が切れた箇所は次の脱皮で再生されます。
ゲジゲジとムカデやヤスデとの違いや見分け方
ムカデの特徴
ムカデは、体が節で分かれていて、1つの節に1対の脚があります。
ムカデは漢字で百足と書くように、多くの節を持ち、オオムカデでは21対または23対、多いものでは173対あるものがいます。
体長は60mm~200mm程度で、ゲジゲジと比較して大きいです。
ゲジゲジと同じ夜行性で、普段は草むらや落ち葉、石や植木鉢の下にいますが、夜になると餌をもとめ、家に侵入することがあります。
ムカデは肉食性の虫で、小さな昆虫やクモ、ミミズなどを食べます。
動きが非常に早く、攻撃性が強く、視力が弱いので、触れたものに対して手当たり次第に噛みつきます。
ムカデは毒を持っており、噛まれると腫れ上がり、強い痛みを伴います。
非常にまれですが気分が悪くなりアナフィラキシー反応を起こすことがあります。
とても危険な虫なので、決して触れることのないよう注意が必要です。
ヤスデの特徴
ヤスデは草食性で落ち葉などの腐植物質やキノコなどの菌類を食べます。
ムカデと異なり噛まれたり、毒は持っていませんが、危険を感じたときには、非常に臭くて刺激臭のある体液を出します。
また、見た目が不快なことから不快害虫とされています。
体型が円柱型で、長いダンゴムシのようなイメージで、1つの体節から2対の足が出ているのが特徴です。
ゲジゲジの駆除方法
室内などでゲジを発見した場合は、ゴキブリ用殺虫スプレーを使用して駆除することができます。
また、天井裏や床下が棲み家になっている場合は、バルサンのような燻煙剤で駆除することができます。
ゲジゲジ、ムカデ、ヤスデの比較表
最後に
ゲジゲジは見た目が気持ち悪いため、害虫だと思われがちですが、人間に悪影響を及ぼすことはありません。
ゴキブリなどの他の虫を食べてくれる益虫なので、できるだけ駆除しないでほしいですね。