カゲロウの寿命はなぜ短い?トンボとの違いは?

出典:https://www.insects.jp

昆虫には成虫として生きられる期間が短いものが多いです。

トンボやセミなどは幼虫として一定のある期間過ごしますが、成虫になってからは短い期間で死んでしまいます。

昆虫の中でも成虫の寿命が短いのがカゲロウです。

ここでは、カゲロウの生態、変態の特徴、寿命、トンボとの違いなどについて記載しています。

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カゲロウの生態

カゲロウは節足動物門昆虫綱カゲロウ目に分類される昆虫の総称です。

世界では約3000種、日本では140種以上が確認されていて、北海道から九州までの全国に分布しています。

幼虫、成虫ともに河川などのきれいな水のあるところに生息しています。

昆虫には、カブトムシやチョウのように幼虫からサナギを経て成虫になる完全変態のものと、バッタやセミのように幼虫が羽化してそのまま成虫になる不完全変態のものとがあります。

カゲロウはサナギの時期がない不完全変態ですが、幼虫が羽化すると亜成虫という段階を経て、成虫になります。成虫の体長は多くの場合10~30mm程度です。

卵→幼虫→亜成虫→成虫

カゲロウの幼虫

カゲロウの幼虫は水質がきれいな河川に生息していて、川の石の裏にぴったりとくっついて、石に付いた苔を食べて生きています。

幼虫の体の基本構造は、羽がないことと水中生活のためのエラがあること以外は成虫とあまり変わりません。

脱皮を繰り返して成長した幼虫は、1~2年で水中から出て羽化します。しかし、このときはまだ完全な成虫ではなく、亜成虫とよばれています。

カゲロウの亜成虫

昆虫の中で亜成虫という特殊な段階があるのはカゲロウだけです。

亜成虫の形状は成虫とほぼ同じですが、成虫と比べ前肢が短く、羽がくすんだ半透明をしているなど、いくつか異なる点があります。

亜成虫になると別の場所に飛び立ち、数時間から1日ほど経過すると、もう一度脱皮して成虫になります。

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カゲロウの成虫の寿命は非常に短い

カゲロウの亜成虫が一度脱皮して成虫になると、メスはオスと交尾して水中に卵を産みます。

カゲロウの繁殖期は、多くは3月から4月頃です。

オスは産卵に適している場所に留まってメスを待ち、メスがやってくると交尾をします。

交尾が終わるとメスは水中に1匹あたり500~1000個の卵を産みます。

卵の平均的な大きさは約0.2mmで、1~3週間でふ化します。

昆虫の多くは成虫になると樹液、花の蜜、他の虫などを食べますが、カゲロウの成虫は自分の子孫を残す役目を終えると、その日のうちに死んでしまいます。

カゲロウの成虫は口が退化して餌を食べることができないので、幼虫のときに食べた餌だけを栄養にして生きているため、命がとても短いのです。

カゲロウの成虫の羽は亜成虫とは異なり、美しく透き通っており、肢はか細く、とても繊細で今にも消えてしまいそうな印象を受けます。

このようにカゲロウの成虫の寿命は非常に短く、昔から、はかないものの象徴とされてきました。

カゲロウの学名はephemoro-ですが、ギリシャ語の「1日限りのはかない」という意味の言葉からつけられたようです。

カゲロウの大量発生

カゲロウは、人に噛み付いたり、毒を持っていたりすることもなく、人に害を加えるようなことはありません。

しかし、カゲロウは時々大量発生し、人間生活に影響を及ぼすことがあります。

例えば、オオシロカゲロウは夏の終わり頃の1週間ほどの間に河川の中、下流域で集中して羽化します。

大量発生したカゲロウは道路や街灯に集まり、道路はまるで雪が降ったかのようにカゲロウが積もり、車のスリップ事故が起こることもあるようです。

カゲロウとトンボの違い

カゲロウは見た目がトンボによく似ています。

カゲロウはトンボの仲間なのでしょうか?

実は、カゲロウもトンボも節足動物門の昆虫綱に属する昆虫です。

カゲロウは、この中のカゲロウ目に属しており、トンボは、トンボ目に属している昆虫です。

トンボ目とカゲロウ目とでは種類が違うということです。

カゲロウもトンボも頭部、胸部、腹部の3つの部分で構成され、2対の薄い羽をもっています。

また、両方とも幼虫は水中で生活します。

トンボもカゲロウと同じように不完全変態しますが、トンボには亜成虫の段階はありません。

トンボの成虫には、口があって、餌を食べ、すぐに死ぬことはありません。

以上のようにカゲロウとトンボでは、姿形は似ていますが生物学的には別種の生き物です。

トンボは漢字で蜻蛉、カゲロウは漢字で蜉蝣、または蜻蛉と書きます。

平安時代頃には、トンボやカゲロウのような2対の羽と細長い体をした昆虫を特に区別せずに、蜻蛉と表記されていました。

その後、カゲロウは蜉蝣とも表記されるようになり、現在に至っているようです。

ウスバカゲロウはカゲロウとは別種の昆虫

カゲロウと聞くと、アリ地獄を思い浮かべる人がいるかもしれません。

ウスバカゲロウの幼虫は、乾いた砂がある場所にアリ地獄と呼ばれる、すり鉢状の落とし穴を作って、アリなどをとって食べます。

ウスバカゲロウの幼虫は、アミメカゲロウ目・ウスバカゲロウ科の陸上性昆虫の幼虫で、水生昆虫のカゲロウとは全く別の昆虫です。

まとめ

昆虫の成虫は寿命の短いものが多いですが、その中でもカゲロウは、成虫になって子孫を残す役目を終えると、口は退化して餌を食べられないので、その日のうちに死んでしまうという、はかない存在です。

カゲロウはトンボと似た姿形をしていますが、別種の生き物です。

平安時代頃には、カゲロウとトンボは特に区別せず、蜻蛉と表記していました。

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