カッコウが子育てを他の鳥に任せる托卵の理由とその報復とは?

出典:wikipedia

カッコウは、ユーラシア大陸やアフリカで広く繁殖し、日本には5月頃に夏鳥として飛来し、秋になると南の方へ帰って行きます。

オスが「カッコウ」と鳴くところから、カッコウと名付けられました。

カッコウには特異な習性があります。

自分では子育てをせず、他の鳥の巣に卵を産みつけて育てさせる托卵(たくらん)という習性です。

ここでは、カッコウの托卵について記載しています。

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カッコウが子育てを他の鳥に任せる托卵とは?

カッコウは、自分では子育てをせず、他の鳥の巣に卵を産みつけ、ヒナを育てさせることで知られています。この習性を托卵と呼び、托卵される親を仮親と呼ばれています。

日本では、多くの野鳥が初夏に繁殖期を迎え、子育てを始めます。

カッコウは5月~6月ごろ、南方から日本にやってきたカッコウは、自分よりも体格が小さい鳥の巣に狙いを定めて托卵します。

托卵される鳥

狙われる鳥は、オオヨシキリ、ホオジロ、アカモズなどです。

カッコウのメスは、狙いをつけた巣から仮親が離れる瞬間をひたすら待ち続けます。

そのために、カッコウのメスは産卵の準備ができた卵を、産卵直前の状態で長時間体内に保管することができるようになっています。

そうして、仮親がいなくなるとすばやく巣の中の卵を1つだけ捨て、自分の卵を1個産み込みます。

多くの場合、カッコウの卵は托卵相手の卵の色や模様がよく似ています。これは、仮親に托卵が気付かれにくくするための工夫と考えられています。

また、カッコウは自分を育ててくれた仮親と同じ種類の鳥を托卵相手に選ぶ傾向が強いようです。

つまり、アカモズに育てられたカッコウはアカモズの巣に托卵し、アカモズの卵に似せた卵を産みます。

仮親の卵やヒナを捨てるカッコウのヒナ

通常、仮親の卵の孵化は10日程度かかるのに対し、カッコウのヒナは、母親の胎内ですでに発育を始めているので非常に短期間で孵化します。

これは、仮親が生んだ卵より早く孵化する必要があるためです。

孵化後1~2日経過すると、カッコウのヒナには、背中に触れたものを担ぎ上げて、巣の縁まで押しやる習性があります。

この行動によって、仮親が産んだ卵やヒナは、残らず巣の外に放り出されてしまいます。

このようにして巣を独占したカッコウのヒナは、仮親の愛情を一身に受けて、急速に成長します。

ここで、仮親がなぜ自分とは姿や大きさが異なるヒナを育てるのかという疑問が起きます。

餌をよく食べる子供を優先して育てるという鳥の本能によるものだとか、ヒナの真っ赤な口が強い刺激となって、仮親の給餌意欲を引き起こしているからとかいわれていますが、本当の理由はまだ、はっきりとは分かっていません。

カッコウが托卵を行う理由

カッコウが托卵を行う理由は、いまだ完全にはわかっていません。

しかし、カッコウ科の鳥は綿羽のない種が多く、日によって体温が大きく変動してしまうので、体温変動の少ない他種の鳥に抱卵してもらった方が安定して繁殖できるためという説が有力です。

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仮親の托卵に対する報復

托卵はカッコウにとって、効率のよい育児方法といえますが、常に高い成功率で托卵できているわけではありません。

托卵された鳥は、自分の子孫を残すことができません。

そのため、古くから托卵への報復手段を発達させてきました。

ホオジロは長年にわたって、カッコウに托卵されてきた鳥ですが、徐々に卵の識別能力を高めていき、高い確率でカッコウの卵を見抜き、弾くことができるようになってきました。

これにより、カッコウは容易に托卵できなくなってきました。

その結果、カッコウは、托卵する相手の鳥をホオジロからオオヨシキリやモズといった相手に乗り換えて、托卵をするようになったといわれています。

しかし、オオヨシキリやモズが、托卵された卵に穴を開け、中身を食べて殻を巣の外へ捨てたり、接近するカッコウに攻撃して報復する例が確認されています。

こうして従来の仮親に対する托卵の成功率が低くなってきたためか、近年、新たにオナガへの托卵が確認されてきています。

しかし、ごく最近ではオナガも托卵に対する報復措置を始め、カッコウの卵を見破る個体が増加してきています。

このように、毎年繁殖の時期になると、托卵する側、される側の攻防戦があちらこちらで繰り広げられています。

カッコウ以外で托卵する鳥

日本では托卵の習性を持つ鳥はカッコウ以外では、ホトトギス、ツツドリ、ジュイチの3種類で、いずれもカッコウの仲間です。

しかし、すべてのカッコウの仲間が托卵するわけではありません。

カッコウ科140種のうち、托卵するのは57種程度と、全体の半数以下です。

まとめ

カッコウは、他の鳥 (仮親)の巣に卵を産みつけ、自分の子供を育てさせる托卵を行う習性があります。

托卵の理由は、カッコウは綿羽がなく、体温が大きく変動してしまうので、体温変動の少ない他種の鳥に抱卵してもらった方が安定して繁殖できるためという説が有力です。

さらに、 仮親の巣から孵化したカッコウのヒナは、巣から仮親の卵やヒナを全て放り出して、一身に仮親の愛情を受けて急速に成長します。

仮親となった鳥は、子孫を残すことができないので、卵の識別能力を高めてカッコウの卵を見抜き、托卵された卵に穴を開け、中身を食べて殻を巣の外へ捨てたり、接近するカッコウに攻撃して報復するようになり、カッコウは托卵するのが難しくなってきています。

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