風船ガムを使ってモグラを駆除する方法が注目を集めています。
多くのモグラ駆除の手段が存在する中で、風船ガムを利用する方法は非常に手軽で有効性が確認されています。
この記事ではこの方法を試す際のいくつかのポイントと留意すべき点を記載しています。
風船ガムによるモグラ退治の効果
モグラの特異な体質
ある動物園では、質の高い食事を提供しているにもかかわらず、飼育しているモグラの大部分が生存できていないという事実がありました。
モグラは胃が空の状態で12時間を超えると餓死するという特性を持っています。
その動物園では、栄養価が高いミールワームを絶えず供給していたにも関わらず、モグラは次々と命を落としていました。
この問題に対して、飼育員は原因究明のために調査を開始しました。
調査の結果、過剰なミールワームの摂取が原因で肝臓に脂肪が蓄積し、それが死因であることが判明しました。
通常、哺乳類は余分なカロリーを摂取した場合、内臓脂肪や皮下脂肪として貯蓄しますが、モグラは過剰なカロリーを直ちに肝臓に溜め込んでしまい、その結果、肝機能が衰えて死に至っていたのです。
12時間食べなければ餓死するという性質と、脂肪を貯蓄できないために、モグラは多食になるしかなかったわけです。
風船ガムがなぜモグラ駆除に効果的なのか？
次になぜ風船ガムがモグラ駆除に効果的なのかを説明していきましょう。
まず、風船ガムには強い香りがあり、これが嗅覚が発達しているモグラを引き寄せる原因となります。
モグラは視力が退化している代わりに、嗅覚が非常に敏感です。
風船ガムの香りはモグラにとって非常に魅力的で、その香りに引かれて風船ガムを食べてしまうのです。
しかし、モグラが食べた風船ガムは体内では消化できず、ガムが詰まり死に至るためです。
風船ガムを消化する能力がないにもかかわらず、モグラはその強烈な食欲と風船ガムの誘惑的な香りによって、自ら命を落とす行動を取ってしまうのです。」
モグラの駆除は法律で禁止されている
まず押さえておくべき重要な事項は、「法的には原則として駆除が禁じられている」という点です。
これは「鳥獣保護法」という法律に基づいており、正確には「鳥獣の保護及び管理および狩猟の適正化に関する法律」を指します。
この法律の目的は、生態系の保全、生物多様性の維持、農林水産業の進展を図りつつ、野生動物の管理や狩猟活動を規制し、保護することにあります。
2002年の法改正では、特定のネズミや海棲哺乳類と共にモグラも保護対象に指定されました。
この法律に違反した場合、最大1年の懲役刑または100万円以下の罰金が科されることとなっています。
適切な知識を有していないと、刑事罰の対象となるリスクがあるため、注意が必要です。
モグラを駆除する際には、国や地方自治体からの事前の許可が必要とされています。
しかし、農業や林業において害を受けた場合は、モグラ科の動物を許可なしで駆除することができると法律には明記されています。
したがって個人の園芸や芝生に生じた被害には適用されないため、個人でのモグラ駆除はできません。
モグラを風船ガムで駆除する方法
モグラを退治する際に風船ガムを使用することは効果的ですが、適切な使用法を守らないと望む結果は得られません。
以下に風船ガムを用いたモグラ退治の手順を3つのステップでご紹介します。
フルーツフレーバーの風船ガムを用意する
フルーツフレーバーの風船ガムを用意します。
モグラはその発達した嗅覚で風船ガムの香りを感知し、それを食べるために姿を現します。
ただし、モグラには特定の好みがあり、どんな香りでも良いわけではありません。
特に「みかんやオレンジ」の香りがする風船ガムがモグラには好まれるとされています。
モグラの巣穴を見つけ出す
モグラの巣穴を探す時は、庭や畑で新たにできた穴がないか慎重にチェックしてください。
穴の周囲に土が盛り上がっている場合、それはモグラの巣穴である可能性が高いです。
しかし、モグラが無作為に巣穴を作るわけではなく、栄養豊かな作物や芝生があり、ミミズなどの昆虫を捕食できる場所を選んでいます。
また、地中に住む彼らは、雨水の浸水を避けるため、木の根や土盛りのある場所を住処にすることがあります。
さらに、モグラの通路を見つける方法もあります。
モグラが地中を掘り進むとき、地表の土が盛り上がることがあります。
その盛り上がりを平らにしておけば、モグラが再び通る際に盛り上がり、そこが通路であると判断できます。
盛り上がった土を潰すには、足で踏み固めたり、園芸用の鍬でならしたりします。
ただし、平らにした土が後でどこだったかわからなくなることがあります。
モグラはすべての通路を繰り返し使うわけではなく、一度通ったきり放置される通路もあります。
複数の盛り上がりを潰して、後で識別しやすいように目印を立てると良いでしょう。
その後、土が再び盛り上がっていれば、園芸用のスコップなどでその部分の土を取り除き、通路を確認します。
手袋や箸を使って人の匂いを残さずにモグラの穴に風船ガムを投入する
モグラの穴を見つけたら、風船ガムを穴に入れる作業に取り掛かります。
モグラは嗅覚が敏感なため、ガムに直接手を触れると人の匂いがついてしまい、モグラが近寄らなくなる恐れがあります。
できるだけ使い捨ての箸などを使い、穴に風船ガムを落とし込むようにしましょう。
モグラ退治に風船ガムを使う注意点
アリが大量発生する可能性がある
アリは特に甘いものに引き寄せられる傾向があります。
以前、スイーツをそのままにしておいたり、食べ物の残りが散らばっていた場所にアリが集まってしまったことがあるかもしれません。
今回取り上げる風船ガムも例外ではなく、アリはその香りや甘さに惹かれて集まってくることがあります。
栄養源があるところにはアリが巣を築く傾向があるため、風船ガムを置いた場所を中心にアリの大群が発生するリスクが考えられます。
効果が出るには数日～10日程かかる
モグラが風船ガムを摂取しても、消化不良が原因で死に至るまでには10日ほどかかる場合があり、即時効果を期待することはできません。
効果が出ない場合は他の味の風船ガムを試してみる
モグラにも好みがあり、一般的には柑橘系の風船ガムが好まれることが多いですが、それ以外にもミントフレーバーなど異なる味を試す価値があります。
風船ガムの種類を変えるべきタイミングは、最初に設置してから10日間でモグラが食べた痕跡がない場合に交換を検討しましょう。
モグラに関する問題に直面した場合は、自治体に相談することが重要です。
まとめ
モグラ退治に風船ガムを使用する方法は手軽で効果的です。
モグラは12時間食べないと餓死し、過剰なカロリーを肝臓に蓄積する特性があります。
風船ガムの香りに引かれたモグラが消化できず死に至るため、駆除に効果的ですが、法律で保護されているため、駆除には自治体の許可が必要です。
フルーツフレーバーのガムを用い、モグラの巣穴に人の匂いをつけずに設置します。
注意点として、アリの大量発生や効果が出るまでの時間、さらにはモグラの好みに合わせた風船ガムの選択が必要です。